2019年7月28日日曜日

美術講演会に出かける

 呉市文化ホールの名称がいつの間にか呉信用金庫ホールとなっている。公の施設が命名権を売って名称変更はよくある話。とはいえ、そこに在住しないモノからすれば「このホールは何?」と迷ってしまう。

 昨日午後、名称が変わったホールに出かける。講演会主催者の話だと名称変更となって初めての催し物とか。講演会は「第23回くれしん文化講演会」で「日本美術応援団呉を応援する!」とある。2000人収容の会場には満員の聴衆が駆け付ける。開演間際に駆けつけると空いた席が見当たらない。前に前に進んでいると、前から数列目の真ん中あたりに座るようにと声をかけられる。席に座ると座り心地がいい。これはホールの椅子に関係があるのだろうか。前列の人が気にならない。このホール自体も音響効果がいいと評判のホールだ。

 応援団とあるようにもらったプログラムは応援団の格好をした2人の姿がある。2人とは昨日の講演会のゲストで団長の山下祐二と俳優の井浦新。舞台に登場した2人が椅子に座ってトークを繰り広げる。舞台には大きなスクリーン。2人の様子や若冲、蕭白、芦雪の絵がスクリーンに映し出される。

 このなかで伊藤若冲の「動植綵絵」が何度も言葉として出てくる。はじめの頃はこのキーワードの文字がつかめなかった。途中、「動植綵絵」の字の説明がある。やっとこの文字とわかる。ネットで調べるとこれは「鶏に代表される鳥たちを筆頭にさまざまな動植物、さらには魚や貝までもが描かれた全三十幅からなる花鳥画の大作です」とある。この全ての絵が説明されたようだ。哀しいかな若冲は知っていても、蕭白、芦雪は知らずにいた。というか、講演会でも若冲が中心でこの2人は付けたしという程度に話された。

 去年だったと思う。若冲の絵の本物を見たのは……。それも東京で開催された展覧会の絵ではない。福山美術館で数点見た。若冲、若冲と世間が騒ぐほどの絵?とその時は思った。昨日の講演会を聞くと若冲の良さがわかってきた。先ほど調べたネットで面白いHPを見つけた。話を聞いていろんなモノ、コト、ヒトに結び付く。これが楽しい。

 井浦新は以前、日曜美術館に出ていていた。この番組も日本画をやり始めてからよく見るようになった。この人はボツボツとしゃべる人でペラペラ話す人にはない誠実さを感じる。団長の山下祐二は大学の先生らしく、話上手。ピタっ、と1時間半の講義を終える。その後が可笑しい。舞台で撮影タイムが始まる。そうと知っていればカメラ持参で出かけたのに、と悔やまれる。いろんな講演会に出かけてこれほど盛り上がることがあるだろうか。どういうこともない2人なのに舞台上が盛り上がる。携帯でアップで写したけどうまく撮れていなかった。

 この応援団、団長は山下。団員1号は赤瀬川原平、2番は南伸坊、3番目が井浦新、4番が山口晃、そして5番目は壇蜜だそうだ。

 最後に講演会のメモとして記そう。

 ★辻惟雄(つじのぶお) 日本ん美術史学者 『奇想の系譜』著者
 ★ジョー・プライス アメリカの美術蒐集家 若冲の絵を蒐集
 ★無量寺 通称芦雪寺

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

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