2019年2月19日火曜日

「100分de名著」オルテガ③から

 壊れた換気扇の取り換えが終わってホッとする。何の変化もなく日々を送っているとちょっとしたことでも非日常となる。こんな日はたった5分か10分の換気扇取替でも朝から気になって落ち着かない。今、取り換えが終わって業者は帰っていった。これだけで幸せを感じてしまう。こんな些細なことで気を使っていてはいけない、もっと悠長に構えなくては……と思いながらもちょっとしたことに気を病む。

 昨日は母が亡くなって丸8年が過ぎた。温かかった午前中、お墓に参る。いくら参ってももう涙は出ない。月日の経過がそうさせるのだろう。夜に見たEテレ。ゲストは中島岳志氏。8年前の震災後、中島氏の新聞記事を読んでこの人を知った。昨夜のEテレでその新聞記事がテレビに映し出される。身近な友人の死が新聞記事を書くきっかけにもなったようだ。この記事はかなりの反響があったらしく、各地の新聞社が掲載した紙面を映し出す。その中に自分自身が読んだ中国新聞もあるだろう。

 死んだ人は亡くなった時点でおわりでなく「死者」として存在し、生き続けるそうだ。時に、なくなった人を思い出す、これがそうらしい。この死者と政治学を中島氏は「生者が主体の政治を民主主義」、そして「死者が主体の政治を立憲主義」と話される。この2つは拮抗する。昨夜は「死者たちの民主主義」、1回聞いたくらいではこの関係性が理解できない。

 そこで番組HPから引用しよう。「オルテガは、現在の社会や秩序が、先人たちの長い年月をかけた営為の上に成り立っていることに気づくべきだという。数知れぬ無名の死者たちが時に命を懸けて獲得し守ってきた諸権利。死者たちの試行錯誤と経験知こそが、今を生きる国民を支え縛っているのだ。いわば民主主義は死者たちとの協同作業によってこそ再生されるという」。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

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