2017年10月22日日曜日

「年を取ると美しく成長する」

 地元の氏神様の秋祭りというのに昨日から台風の影響で雨が降り続く。秋まつりの2日間、雨の日というのはこれまであったのだろうか。衆院選の投票日でもあるのに雨が降り続いて家の周りはいつもより静かだ。

 休む日が多くなっていた日本画教室。長く描き続けた落ち葉の絵をやっと完成させる。他にも遊びで描いた小さな絵。これも何とか完成。次回の日本画教室が終わるとこれまでの教室がビル空調のリニューアルで他の場所での教室となる。仮の教室は本通り付近の某ビル内。そこは教室が広くないらしく、2,3か月はもっぱらデッサンになりそうだ。絵の基礎ができていないのでこれはこれでいいことだ。

 日本画教室に出かける前にNHKのローカル放送「フェイス」を見る。番組名は「92歳の旋律~超人ピアニスト ルース・スレンチェンスカ~」。番組紹介欄には「92歳で超人的な演奏を行うアメリカ人ピアニスト・ルーススレンチェンスカさん。活動を続ける大きなきっかけとなった岡山を訪れコンサートを開いた。その舞台裏に密着。齢92、身長150の華奢な体で超人的な演奏を行うピアニストが今夏、岡山でコンサートを開いた。アメリカ人ピアニスト、ルース・スレンチェンスカさん。あのラフマニノフにも師事し、『ニューヨーク・タイムズ』ではモーツァルト以来の神童として紹介されたこともある世界的至宝だ。身体の衰えをものともせず命を振り絞って、遠路来日したルースさん。伝説の老ピアニスト渾身のコンサートと彼女の歩みを特集する」とある。

 前夜の放送を見逃し、昨日の朝の再放送を見る。それにしても世の中、ご高齢であっても素晴らしい人がたくさんおられる。この人の素晴らしいところはどういっても前向きな考え方にある。頑張るお年寄りはどの方もそうだけど…。樹齢1000年の桜が岡山県にあるそうだ。その桜の下での演奏で、樹齢1000年の桜は枯れずに咲いているのではなくて大きく成長している、という。番組最後でなぜそんなに前向きなのかと尋ねられると「92歳だから何でもできる」、「年を取ると美しく成長する」とのこと。

 これほどの人であっても一時は世間から見放されていた。5歳で神童と言われる。父から厳しく育てられ、上手くピアノが弾けないと平手打ちされ、食事もとることができない。9歳でラフマニノフの代役でピアノ演奏をする。16歳になると親からの体罰に耐え切れず家出。自分の血を売って生活する。大学では心理学を学ぶ。26歳になると演奏が評判を呼んで以降、9000回の演奏活動をする。大学で一人でラフマニノフのピアノ演奏をしていた時、毎日のように演奏を聞きに来る人がいた。その人は大学教授で5歳年下。その人と結婚し、夫が亡くなるまで35年間が過ぎる。一人になり意気消沈して2年後教え子が台湾での演奏に招待してくれる。その時、居合わせた人が岡山県の三船文彰。この人が岡山県での演奏を招待すること9回目。その模様が今回放送された。

 長い演奏キャリア。若い頃の演奏と今の演奏をビデオで比べる。若い頃は筋肉が成長し、年を取ると美しく成長する、という。そのためか、演奏の仕方を比較しても今の方が美しい弾き方だとか。「年を取ると美しく成長する」、この言葉は素晴らしい!

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