出品者から送られてきたチケットをもって日本の書展に出かける。会場は駅前にあるデパートの8,9階。出品者が多く、まるで迷路のような狭い会場を見て歩く。見るといっても書に関しては素養がない。チケットを送ってくれた人は評議員だった。ほかにも知っている人の作品がある。チケットをくれた人は作品の意味をコピーして送ってくれた。書名欄に「出」とある。もう一人は「かく」と書いている。これは書を書く人の自分が書いたという作法だろうか。近いうち出掛ける旅のその人にこの謂れを聞こう。
ともあれ、会場には素晴らしい書が並ぶ。いくら素晴らしくても自分自身に書の素養がないため、その良さがちんぷんかんぷんわからない。ましてやあまりにも出品者が多くて見るどころではない。せめてこの5分の1くらいの作品にすれば、と思うけどこれも要らぬお世話と言われそうだ。
会場を出るとバスに乗り換えて日本緑内障学会の講演会に出かける。緑内障は眼の視神経が侵される病気で放っておけば眼が見えなくなる。目は悪くても視力が悪いだけで眼の視神経はきれい、と眼科医から言われている。講演会の目的は緑内障の話を聞くのではなく漫画家でエッセイストの弘兼憲史の講演を聞くのが狙いだった。とはいっても前半の講師である木内良明氏の講演も聞きごたえがあった。演題は「高齢化社会を迎えた眼の病気」。
人が目を開ける際、おでこの力を借りるという。それゆえ、年を取った人はおでこの周りにしわが出るそうだ。また、年齢とともに眼の周りの筋肉が弱り、眼が開けられなくなる。それには手術による眼の周りの筋肉のたるみを取る方法もあるとか。講演の中で壷阪寺、シーボルト、土生玄碩、男の花道、花岡青洲などのキーワードが並ぶ。これらの大半に共通するのは「眼の瞳孔をひらく」がある。眼の瞳孔を薬で開くことは眼科に通う人は一度は経験があるに違いない。その薬は土生玄碩の家系が代々秘伝としているそうだ。瞳を開いた経験があるので興味を持って話を聞く。そしてウイキペディアで土生玄碩を調べるとシーボルトとの関係もわかる。講演のなかで2問ほど医師国家試験の問題が出される。これも興味を持って聞いた。さすが日本緑内障学会の講演会。話の最後は広島城が夜になると緑でライトアップされるとのこと。がん検診を受ける人が少ない広島県。ピンクやその他の色で受診を啓もうするライトアップがされている。昨日の緑のライトアップは緑内障受診の緑のようだ。
後半は弘兼憲史氏のお話。団塊世代だそうだ。演題は「高齢化社会を迎えた日本の未来」。いきなり終活が話される。こういう言葉は聞きたくない。だれがこの言葉を言い出したのか。そのつもりで話を聞きに来たのではないぞ、と開き直る。この人の漫画は読んだことがない。しかしエッセイは読んでいる。まさかこういう話題とは、とその場から逃げ出したくなる。
3点あげて話を進める。
1、消費すること
2、社会的活動
3、いかに死んでみせるか
結果、弘兼が推している3の話題が大半だった。それも「在宅死のすすめ」を進める。もうこれ以上人の死ぬ話は話題にさえもしたくない。いろいろと聞いたけどここでは割愛。
現実に目を背けることはいけないことかもしれない。かといって現実どっぷりの話はもう結構という感じで話を聞く。
一週間後には他の先生の講演会がある。もっと夢ある話が聞けるといいけど…。それにしても雨が降り続く。行く気になっていたプールに行かれそうにない!
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