2013年12月27日金曜日

フランシス・アリス展を見に行く

今朝は雨も止んで日が照りはじめる。冬のご馳走は暖かい部屋と暖かい陽射しが一番。明日に予定していた泳ぎ収めを今日に代えよう。 

昨日はシトシトと降り続く雨の中、友人と街中でイタリアンのランチ。行きつけのお店らしく、店長とも親しそう。中央通りに面した一等地のビル4階にある。ここはひとりでも気軽に入れそうなお店で、いつかまた出かけよう。

ランチの後、友人と歩いていると数年ぶりかで“広島太郎”を発見。元祖の太郎はなくなったはずだから、もしかして2代目。それとも太郎もどき?

いずれにしても、人の真似をするならばいいことをまねて欲しい!

友人によるとイギリス研究のある先生は一度、“太郎”を見たいと話されたとか。これもイギリス研究!?それとも比較文化研究!?

友人と別れた後、現代美術館ヘ向かう。市電で的場まで行き、比治山線に乗り換え、比治山下で下車。山に向かって歩くのだが、人は誰もいない。昼間の市内。しかし、ひとたび山(?)へ入ると誰とも出会わない。

もう10数年、いやそれ以上、ここへは来ていない。10分くらい歩いたところで美術館に到着。中に入ると、ひっそりしている。受付を済ませ、会場を見て歩く。展覧会のテーマは“フランシス・アリス展”。ベルギーの作家だが、30年くらい前からメキシコ在住。

1987年、メキシコは大震災に見舞われる。その大都市、メキシコを歩くことで、街に刻まれた歴史の層、異なる文化的背景にインスピレーションを受けて、次第に美術家として歩み始める。

この展覧会で始めて作者を知る。

作者はメキシコシティを舞台にして自らがさまざまなアクションを行い、ラテンアメリカの社会や歴史を浮かび上がらせる。数ある映像の中で気に入った作品がある。

「メキシコシティを歩く編」では「実践のパラドクス1」として“ときにはなにもおこらなこともする”がある。朝から晩まで9時間メキシコシティ街で大きな氷の塊が完全に溶けるまで押し続けて歩く。

これを映像にしている。

もうひとつ、気に入った作品がある。「ジブラルタル海峡を渡る編」で“川につく前に橋を渡るな”として、ジブラルタル海峡によって隔てられたヨーロッパとアフリカ。その2つの大陸を、海を渡る子供達の列によってつなぐアクションを行う映像である。

どの画像もアラビア語、日本語、スペイン語、英語の表示があり、それにも関心がわく。

これが現代美術のジャンル?と思いながら、メキシコへ行きたい気持ちが募る。

他にも別の「コドクノチカラ」展をみる。どこも観客はいない。ほぼ貸しきり状態の中を見て歩く。歩くたび、係りから丁重に挨拶される。それにしても、ここでの監視の仕事は楽そうでもそうではなさそう。一言も話さず、客も来ず、座っているか立ったままで客を監視する。どんな仕事も大変だ。

それにしても…。思ってしまう。これが民間の施設だったら完全に破産寸前。公の施設だから観客がいなくてもこれほどの人数を揃えて仕事をさせられると。

とはいっても、ミュージアムショップでもどこでも丁重な応対をされる。ちょっと高いけど気に入った丸いガラスコップを購入。ここでブランド名とも思える“MOCA”を尋ねるとミュージアムの略称だった。

如何にこの美術館のことを知らないかに気付く。見終わると、来た道とは違う大型スーパーに隣接する動く歩道を通って帰る。ところが、ここは町が再開発されてまったくどこにいるのかわからない。スーパーの前のバス停で待つこと30分。寒い!

やっとバスに乗ると数分で広島駅に到着。昨日はちょっとした旅行気分を味わう。

この美術館は春になると山も桜で覆われてきれいだろう。その時にまた出かけることにして、今日はこれから泳ぎに行こう!

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