2021年6月28日月曜日

「サーカス一家の世界への挑戦を追う!」を見た

 一昨夜のNHK・BS「サーカス一家の世界への挑戦を追う!」を見た。番組HPを見ると<サーカス家族 世界一への挑戦 サーカス国際大会「日本人少年の超絶美技!」>とあり、次のように続く。「嵐君は、日本全国を興行して回るサーカス一家の4男坊。私たちは、嵐君一家を3年間にわたって取材してきた。家族が暮らすのは、サーカステント脇に置かれたトレーラーハウス。2か月の公演ごとに移動を続け、子供たちはその度に転校を繰り返す。波乱万丈の日々の中で、嵐君は技を磨いてきた。そしてついに世界最高峰の大会への出場を果たした。最高のサーカスの技とともに、嵐君一家の世界への挑戦を追う。笑いと涙の物語である」と。

 嵐君は6歳の頃に見たサーカスの第一人者が演じた芸を見て、13歳の兄とタッグを組んで練習を始める。それから6年後の2020年、13歳の誕生日前夜にモンテカルロで開催されたサーカス・フェスティバルで金賞を受賞した。モンテカルロまでの道のりは厳しく、テレビを見ても子供の演技とは思えないほど圧巻だった。モンテカルロの前にスペインで全世界的なサーカスのコンテストがある。そこで選ばれたものしかモンテカルロへの道はない。

 テレビ・クルーは2019年から嵐君一家を追いかける。嵐君は大家族で毎年のように子供が誕生する。父は南米出身のサーカス団員。母は日本人。母が違う嵐君の兄3人と日本人との間に生まれた子供が10人近くいる。まずはスペインへの挑戦。演技する「イカリオス(足芸)」がある。それは兄が下に寝転がって足を上げ、その兄の足の平に嵐君が立って演技する。スペインでの優勝を機にモンテカルロへ行く。母は誕生したばかりの子を日本において嵐君たちとモンテカルロへ。モンテカルロへ行く前、嵐君一家はサーカス団から解雇される。

 モンテカルロ滞在中の嵐君は成長期にあり、成長痛と左足の肉離れで出場が危ぶまれる。宙返りなどもあり、足の痛みに耐えられない。大会5日前、医師は嵐君の足の痛みをなくすためテーピングと鎮痛薬を塗りまくる。本番はモナコ大公や王妃の前で上出来の演技を行い優勝した。圧巻だったのは普通は舞台上で「イカリオス(足芸)」の40回の宙返りをこの日は舞台上に10数m高い台を置いてその上で演技をした。それも60回に増やして。ひやひやドキドキのうちに最高のパフォーマンスで演技は終わる。

 2時間の番組もあっという間だった。モンテカルロの大会は深夜に及び、午前零時をもって嵐君の誕生日と重なる。13歳だ。2020年2月、モンテカルロでの優勝から凱旋帰国の幸せな絶頂期に襲ったコロナ禍。一家はその前に和歌山県に自分たちのサーカスを立ち上げるため土地を購入していた。そこで、凱旋帰国のサーカスをお披露目しようとしたがコロナ禍でその夢は潰えた。その時、事件が起きた。父が幼い娘を革バンドで殴ったのだ。警察沙汰になった。娘は起訴になった父の事件を取り下げて不起訴にした。このことがあって以降、父は是が非でもサーカス団員に、ではなく、子供が好きな人生を歩ませるという。他の兄弟姉妹はサーカスの演技をするが事件のあった娘は舞台上でなく観客側にいた。将来はサーカス団の社長になると幼い娘は語る。

 特殊な世界でなく平凡なサラリーマン家庭に育った。一流と呼ばれる人になるには人にはわからない苦労があるようだ。それにしてもあの嵐君の笑顔は誰が見ても癒されるだろうこと、間違いない!

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

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