2021年6月13日日曜日

『伝説のコンサート“松山千春” リマスター版』を見た

 昨夜のNHK BSで放送の『伝説のコンサート“松山千春” リマスター版』は心に沁みる番組だった。梅雨時季で外界は湿っぽい。が、コロナ禍で思うように動けず気持ちは荒れ野のごとく涸れ果てている。その矢先に聞く曲は一滴の水のように心に沁みる。松山千春の歌である。番組紹介によると以下のようだ。

<美しく叙情的なメロディーと魅力的な歌声で多くのファンに愛される松山千春は1977年「旅立ち」でレコードデビュー。この番組は、1999年に制作されたスペシャル番組「松山千春 23年目の旅立ち」をリマスターしたもので、かつて映画で共演して以来の仲である中井貴一がナレーションをつとめ、「恋」「ふるさと」「旅立ち」「銀の雨」「大空と大地の中で」など名曲の数々を当時のインタビュー映像とともに送る>。

 松山千春のステージ上には必ず1本の赤いバラが花瓶に活けてある。それは松山がプロで活躍前のアマ時代に見出した武田氏の言葉にあった。何もないステージに1本の赤いバラを活けよう、とアドバイスした人だ。しかし、武田氏は38歳の若さで心不全で亡くなる。赤いバラは昨夜の放送でも活けてあった。
 
 松山の幼少の頃は家が貧しかったそうだ。新聞社を一人で賄っていた父は寝る前に子供たちを集めて国内外の新聞に書いてある出来事を子守歌のように話して聞かせた。満足な食事や暖房さえもない北海道の暮らしは厳しい。が、子供たちは父の話を聞いて空腹や寒さを満たしていた。松山は歌で人々の心が満たせる心が動く曲(心動曲)を作りたいという。

 松山の歌を聞いていると歌詞に「人生」が出てくる。この人生は「たび」と読みを置き換えて歌っている歌もある。歌と語りが半々の番組だったがまるで哲学者が話すような件もある。フォークソングとは松山に言わせると「等身大の自分」を見せる歌らしい。それもあるのか歌に人生がにじみ出ている。

 子供たちが興味津々で髪を染めたりする。しかし、自分自身を活かしたいならそうするよりも何か行動を、と松山はいう。この行動する、に同感する。迷いがあるときは体を動かすに限る、と、この年になって自分自身、わかってきた。悩む前にまず行動を……。これに尽きる。

 松山の姉は48歳の若さで癌により亡くなった。「愛」を歌う時、恋人でなく「姉」を指す歌もあるそうだ。

 2時間の番組で歌った「途上」の歌。この中で何度か同じフレーズがある。「どうか どうか 振り向かないで 思いのままに歩いてほしい あなたの道を~」。この箇所に心が沁みた。1999年のコンサートをリメイクして放送された、43歳の松山のコンサートである。これまで一度もこの人のコンサートを聞いたことがない。染み入る歌声を一度は聞いてみたい、と思いながらテレビを見た。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

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