2019年10月4日金曜日

『歴史と風土』

 今が何の季節かわからないほど変な気候が続く。台風が去り、これでやっと秋になる!?それにしても今朝も蒸し暑い。今日の最高気温は31度の予想で長袖は暑くて着られない。涼しくなれば夏の疲れがどっと出そうだ。昨日はおとなしく家にいて午後から1時間ほどお昼寝タイム。昼間はめったに寝ないのにやたらと眠くなる。夜は夜で見たいテレビもなく早くから眠る。これからの行楽シーズンに向けて体力温存となるか。

 以下の『歴史と風土』(司馬遼太郎 文藝春秋、1999年第4刷)は『翔ぶが如く』の合間に読んだもので、またいつものように記そう。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

★儒教的中国体制というのは成立の時から官僚の腐敗がある。誰も批判者がいないので皇帝にさえおべっかを使っておけばよい、自分は民百姓や政商からお金をもらう。とにかく中国でも朝鮮でも官吏、大官というのは大金持ちです。政治と金とは結びつくどころか同じもののわけです。それは猛烈なものです。21p

★明治維新というのは志士が偉かったのかといえば、そんな馬鹿な話はないわけで、ずうっとあった歴史の原理とか状態とか、一種の日本人的な社会の摂理とか、或いは機能とかが、作動していって明治維新が成立し、その後もうまくいくわけで、それは東アジアとは別の国ですね。……日本は始めから脱亜なんです。29p

★高松塚から出て来た、赤やブルーや黄色のカラフルなだんだら模様は、今でも、韓国で、巾着なんかの模様になっています。高句麗は早くからあれを、好んだわけです。ですから、高句麗は、非常に日本の上代文化とかかわりのある存在らしい。208p

★戒名の話をしますと、要するに日本仏教は中国経由の仏教ですから、漢字表現によってやってきたわけです。つまり向こうのお坊さんは中国人だから、当然中国の名前です。そこで日本でも坊さんになるということは中国名前になるということだったのです。……最澄とか、空海とか、それ以前なら玄昉とか、道鏡とか、要するに中国人の名前なんです。……俗人が死んだら、これは僧になったことにして、中国名前をつけた。それを戒名といったわけです。だから、中国人の名前をお坊さんがつけられて、それを戒名にして喜んでるのも、お釈迦さんと関係ないのです。その点が、どうもわれわれは日本仏教からだまされているような。……230p

★司馬遼太郎が彼らに心を引かれるのは、差別の観念で蔑視されたり、悲劇的な歴史をもつ民族にたいする憐憫の情にもよるのだが、もっとも魅せられるのは、彼らが遊牧の生活や狩猟生活、或いは焼畑農業の生活を、頑固に守りつづけているからだ。そのかたくなな暮らしに敬愛の念を禁じえないのである。……ことにモンゴルを愛する司馬遼太郎は、空と草だけのモンゴル高原で、物に執着せず、欲望少なく生きてきたモンゴルの遊牧民族に人間としての品格を感じている。(「解説」磯貝勝太郎)

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