2017年12月20日水曜日

「世界にまるで不用の物なし」

 昨夜のNHKEテレは南方熊楠を取り上げる。熊楠が晩年、文献の中で使った言葉は「世界にまるで不用の物なし」。これは生態系を守る重要性から気づいたことらしい。熊楠の名前は知っていても詳しいことは知らずにいた。それにしても「何でも知ってやろう」精神から粘菌類の研究で世間に評価された熊楠。昭和天皇から随行を依頼されたこともあるという。熊楠が生まれたのは慶応3年(1867年)。母の父である私の祖父はその前年に生まれている。祖父であってもどんな人であったかさえ全く知らない。ただ、母が仏壇の上に着物姿で写った写真を飾っているのでこの人が祖父なのか、と知る程度。ともあれ自分の祖父に当たる人と同時代を生きた人の言葉が素晴らしい。これを捩ると「世界にまるで不要の人なし」や、「人生にまるで無駄のことなし」も言えそうだ。

 今年はレモンが60個以上実った。レモンを枝から切り始めの頃は1個ずつあげていた。ところがレモンを取っているとかなり実っている。この頃は近所の人や知り合いに5個ずつあげる。それでもまだ冷蔵庫に20個以上ある。昨年の25個実ったことを思えば多く実った。

 ひろしま美術館へ出かける際、チケットをくれた人に5個持っていく。ひろしま美術館で開催中のヴラマンク展。「私は、どんな規則も守らず、これまでに構想されたどんな理論にも従わない」。もらったチラシに書いてある言葉。この人も熊楠と同時代を生き、ゴッホを敬愛したフォーヴィズム(野獣派)の画家らしい。「雪の街道」と、タイトルは覚えていないが麦の絵と魚の絵が特に気に入る。「絵画と言葉で紡ぐ人生」とサブタイトルにあるように作品毎に画家の言葉が添えてある。

 絵を堪能した後、美術館内のカフェレストランでお昼を食べる。牛肉の赤ワイン煮込みが展覧会中の主なメニューらしい。美味しかった。ここで長居をしてしまった。友だちとわかれた後、アステールプラザまで歩いて広島日展会展を見に行く。途中、平和公園で木の根っ子を写真に写す。ヴラマンク展でも樹木の絵に目が留まった。しばらくは樹木が気になりそうだ。日本画の入賞者の絵よりも洋画に目が行く。というか、日本画の入選者の絵が少ない。一番気に入ったのは内海洋江の「木漏れ日」が良かった。他にも橋本一貫の「時」、そして藤川弘康の「茶箱と壺」が気に入る。

 この後は同じ管内にある図書館で日本画の本を借りる。家に着くと広響のヴァイオリン奏者からクリスマスカードが届く。例年郵送されるクリスマスカード。今年は楽団員が日本国籍でないらしく「音楽に国境はありません。平和な世界が続きますように♪」と葉書の一部に書いてあり、文末にはハングル文字なのか書いてある文字が読めない。ネットでハングル語から似たような文字を検索するが全くわからない。この人はピアソラ五重奏団もされている。ピアソラが好きなので何度かこの演奏も聞いたことがある。

 いろいろと忙しく動いた!今年もあとわずか。まだ今年を振り返るのは早すぎる!?ともあれ今日も楽しく過ごしましょう!

 そういえば熊楠の番組で「好き」を貫き続ける、とあった。モノ・コト・ヒトと何であれ「好き」という感情は大事。この気持ちを忘れずに「好き」なことをやり続けよう!

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