2022年11月16日水曜日

楊海英の本

 楊海英の『独裁の中国現代史 毛沢東から習近平まで』を読んでいる。楊海英の経歴を見ると『墓標なき草原―内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(上下)で司馬遼太郎賞を受賞している。著者と司馬遼太郎は賞で結び付いている。そう知って驚いてしまった。そのこともあるのかこの人の著書をさらに読みたくなる。副題に「毛沢東から習近平まで」とあるように習近平の独裁政治は、というか中国のそれは今に始まったことではなく辛亥革命の頃から関係している。この時期は大変興味があるのである意味、関心を持って読んでいる。

 司馬遼太郎は『草原の記』で当時のモンゴル人通訳のツエベクマさんを題材にした本を書いている。司馬遼太郎は学生時代、モンゴル語を専攻した。そのこともあるのかモンゴルへの入れ込みは相当なものだった。もしも司馬遼太郎が楊海英の書いた受賞作を読んだならばどういうふうに思ったのだろう。ふと想像してしまった。楊海英はツエベクマさんほどではないにしても内モンゴルで生まれて育ち、その後、日本に留学。そして2000年に帰化と苦労している。モンゴルにいたならばこういった著書も決して書けなかったに違いない。

 読みながら、初めて中国語を習ったときのことやそれから後もいろんな中国の留学生に習ったことで中国の現状を知っていると思っていた。が、まだまだ理解不足は否めない。この本を読み終えたならばしばらくは司馬遼太郎と楊の本を並行して読もう。

 秋の行楽日和はまだまだ続く。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

 追記 楊海英は司馬遼太郎賞を2010年に受賞している。これまでの受賞者を見ると錚々たる人たちだ。

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