2022年9月25日日曜日

106歳の谷口さん

 県北の三次市君田町に住む谷口善之さんは三次市で最高齢の106歳。精緻な筆運びで「写仏」を描かれ、君田生涯学習センターで作品展をされている。地元紙に掲載の谷口さんはとても106歳とは思えないお顔でしっかりされている。ご自宅で生活され、長男と2人暮らしだそうだ。「写仏」は90歳から始められ「何事も続けることで毎日が充実してくる」と話される。

 ただ近年は視力や体力に衰えを感じ、3月に描いた「千手観音菩薩」はこれで最後と話される。この作品は5月に開催された東京都美術館での写仏展に出品されている。

 谷口さんは戦前、海軍に所属されて戦地に赴く。が、負傷して内地勤務となる。戦後は今の場所で奥さんと暮らした。そして60歳ごろから漢文や絵手紙に打ち込み、写経もたしなむ。そこで出会ったのが写仏。100歳までバイクに乗り、畑仕事もされていた。これからを聴かれて「できそうなことをこれからも見つけて、こつこつやっていきますよ」と話される。

 106歳といえば生きていれば両親の年齢である。メディアで報道される長寿者はたくさんおられるが今朝、読んだ谷口さんはこれまた他の長寿者とは違った凛々しさがある。矍鑠(かくしゃく)たる老人だ。この人を見習おうと思った。

 日本画作品展は終わった。「信州・鬼無里」の絵を展示したが何人かにこの読みを聞かれる。また出かけた時期も聞かれた。鬼無里(きなさ)は4年前の5月21日に出かけている。聞かれた時、「7月」と話した。昨日の搬出日に聞かれた人に謝りを入れる。「5月ならば水芭蕉が一面に咲いている」と話された時、「7月」ととっさに口から出た。後で調べると出かけたのは5月21日だった。その人は2回ほど鬼無里に行かれていた。

 9年前に作品展を見て日本画を習おうと思った。というか友だちに強引に誘われて習う気になった。元来、絵心はなく我ながらよく続けていると思う。と同時に、やっと最近絵を描く楽しみがわかってきた。このすべては点描写のお陰かもしれない。

 地元紙に掲載の谷口さんを見習って「できそうなことをこつこつやってゆく」しかなさそうだ。嫌な事ばかり目立つこの時代、谷口さんのような我が道を何歳になっても元気で歩む人を見ると本当に元気が湧いてくる。りっぱな人だと感心するばかり。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

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