2020年11月22日(日)、<2つの国宝と雪舟が修行した古刹を訪ねる「紅葉の閑谷学校・雪舟ゆかりの名刹宝福寺・国宝吉備津神社」>の日帰りバスツアーに参加する。コロナ禍の中、GO TOトラベルキャンペーン第5段目となる旅だ。旅の参加者は20名。前回の高野山の旅ではバス車内の座席は全員が窓側だった。ところが今回はクレームが出たのかどうか知らないが連れは隣同士の座席だった。いずれにしても人数制限のため、コロナ禍前までの旅とは違って車内はゆったりしている。
広島駅北口ペデストリアンデッキに7時20分集合。その後、一か所の休憩をはさんで国宝・旧閑谷学校へとバスはゆく。パンフなどで見るその学校は小さい建物があるだけと思っていた。ところが目的地に着くと趣が違って広々としている。2名のボランティアガイドについて観光するのだが、その日は3連休の中日であり、大安吉日とあって旧閑谷学校講堂前では大々的な行事をやっていた。マイクを通して流れる行事の音はガイドの声を消してしまうほどだった。
旧閑谷学校は「世界最古の庶民のための公立学校」で1670年に岡山藩主池田光政によって創建された。この地を「山水清閑、宜しく読書講学すべき地」と称賛して地方のリーダーを育成する学校の設立を決めた。2015年4月に「近世日本の教育遺産群」として日本遺産に認定される。今でも講堂の床に正座して学ぶ研修生がいる。正座する際の丸い座布団が講堂の隅に置いてあった。
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校門(鶴鳴門) |
校門の屋根は備前焼の本瓦葺きで棟に鯱を載せた正門である。旧閑谷学校のある地は備前焼で有名な岡山県の備前市に位置する。ということでどの屋根も立派な備前焼の瓦葺きだった。瓦はどれも池田藩の家紋である蝶の紋章である。
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備前焼の瓦葺きは蝶の家紋がある
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聖廟(左)と閑谷神社(右) |
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楷の木(学問の木ともいわれる) |
校門を入って左手には講堂、そして真向いの建物は閑谷神社や孔子の徳を称える最も重要な施設である聖廟がある。その前の広場には楷の木が2本植えてある。四季を通して情緒豊かなこの木は学問の木ともいわれ、中国山東省曲阜の孔林から種子を持ち帰って苗に育てられたうちの2本だそうだ。紅葉の時季には美しく色づくそうだが、時季を10日ばかり逸したようで葉は散っていた。楷の木の紅葉は見られなかったが、それ以外の木は今が盛りとばかりに見事な紅い色だった。
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旧閑谷学校の紅葉した樹木 |
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公門 |
学校全体を囲む石塀は765mにもおよび、300年を経た今も整然たる姿をたたえている。石塀を囲むように椿の木を植えた椿山がある。この山にはやぶ椿が400本ほど植えてあり、それには守護の願いが込められて神々しい雰囲気を醸し出している。
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石塀と椿山 |
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講堂(国宝) 講堂は閑谷学校を代表する国宝である。創建当時は茅葺瓦もその後に改築されて備前焼瓦になった。内部は10本の欅の丸柱で支えた内室があり、その四方を縁側で囲んである。講堂の窓の形は独特で花頭窓というそうだ。講堂正面の額には池田光政による「克明徳」の書が掲げられている。「克明徳」とは「ヨクトクヲアキラカニス」の意味で『書経』にある言葉だそうだ。 |
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講堂内に積み上げられた丸い座布団 |
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講堂正面の篇額は池田光政による「克明徳」の書
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講堂の花頭窓 |
旧閑谷学校を見学後、バスは昼食場所であるレストラン酒工房独歩館に向かう。ここで旬彩プレートに並んだ酒の肴のような食事を頂く。ツアー客にはあらかじめ旅にセットされたクラフトビールが1杯ずつ付く。食事後、レストラン内の売店で共通クーポンを使い切る。と言っても2000円の金額に見合う適当なお土産が見当たらない。クーポンを使いそびれないようにとフランスのボージョレヌーボを1本購入。だが、クーポンだけでは足りなかった。
GO TO トラベルは必ず地域共通クーポンがもらえる。それはその旅の間に使い切らないといけない。いつもながら、なんと無駄遣いと思いながらもせっかくなので使い切る。買いたいものがないときはいつもワインを購入。これで家にワインが3本たまった。
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