2020年11月11日水曜日

「高野山・熊野三山と伊勢神宮両参り3日間」の旅

  2020年11月3日(火)から11月5日(木)までの3日間、「高野山・熊野三山と伊勢神宮両参り3日間」の旅に参加する。高野山は初めての場所だが、熊野三山と伊勢神宮へは2年前にも出かけている。ナニゴトも初めてのモノ、コトは興味津々で勇んでGO TOトラベルに便乗する。

 第一日目 11月3日(火)

 旅の朝は早い。4時半起床で6時40分に広島駅新幹線口に集合する。旅の参加者はコロナ禍で人数制限があり19名が参加。新幹線のぞみに乗車後、1時間半で新大阪に着く。ここから帰りの新幹線に乗るまでの3日間、バスの旅が始まる。新大阪駅からくねくねした山道をバスに揺られて世界遺産、高野山奥の院に到着する。途中、串柿の里の道の駅で休憩をはさむ。高野山奥の院は空海が御入定の聖地だ。まずは高野山専属のガイドに真言宗の題目、「南無大師遍照金剛」を教わる。弘法大師空海の御廟へはこの真言を唱えてお参りする。

 もらったパンフによると海抜900mに位置する高野山は開創以来1200年以上にわたって庶民の強い信仰と支持を集めているという。それにより宗派にとらわれず、あらゆる階層の人々の心の憩いの場、魂の安息所として発展し、今日のような一大仏都をなすに至っている。参拝者は年に100万人を超えるとか。

 バスが奥の院に着くまでの道中、道が車で大渋滞となり、奥の院へは3時間で到着の予定が40分遅れの到着となる。専属のガイドの案内で道中の遅れを取り戻すかのように急ぎ足で観光が始まる。山の上にある聖地は誰が切り開いたのだろうか、というほど広く、その面積はなんと33万坪の一大盆地をなしている。コロナ禍の中でもこの広い聖地に観光客があふれかえる。山で迷い子にならないようにとガイドについて歩く。空海の眠る御廟は撮影禁止。奥の院への道には各宗派を超えた諸大名の墓石群が並ぶ。韓国の墓もあった。先日亡くなったジャーニ―北川の墓もガイドから教わる。だれかれとこの地にお墓を建てることができないらしく、ガイドによると各寺院で墓地を管理しているという。そのためかお寺だけでなく鳥居もあった。私たちは広島からの観光客なので浅野家のお墓をガイドに教わる。

浅野家の墓地

奥の院は今が紅葉の見ごろだった

 弘法大師空海の御廟を参拝後、弥勒石のある祠に行く。小さい祠の前で若者の行列ができている。ガイドは私たち全員に弥勒石を触らせようと並んで順番を待つ。ネットによると弥勒石(みろくいし)とは「和歌山県の霊場高野山の奥の院の御廟の橋を渡ってすぐ左側の中にある祠に納められた石。祠には、片手が入る小さな穴があり、触れると弥勒菩薩の御利益があるという。さらに、持ちあげると願いが叶うといわれている」そうだ。

 丸い穴に右手を手首まで突っ込んで弥勒石を持ち上げようとするが、持ち上げるどころかころがすことさえできない。必死で持ち上げようとすると石が動くたびにドスン、ドスンと大きな音が辺りに響き渡る。
紅葉がきれい!

奥の院の大杉林(和歌山県天然記念物)の杉

空海の眠る御廟への道
 1時間余りの高野山奥の院の観光を終えて精進料理の昼食を食べにレストラン楊柳に向かう。朝、4時半起床で5時過ぎに朝食を食べたのでお腹もすいてくる。途中、持参したパンを車内で食べたが、それでも車で移動するとお腹がすく。添乗員は夕食も遅いので出てきた料理は残さず食べるようにと促す。ましてや精進料理。お腹がいっぱいになるほどの量ではないが、おいしくいただく。食後の観光からはガイドが交代した。

 御廟から金剛峯寺に抜ける道は紅葉真っ盛りの蛇腹道。その道を通り抜ける。
中門

正門は金剛峯寺で最も古い建物

金剛峯寺

金剛峯寺

金剛峯寺の石庭である蟠龍庭
 
奥の院から金剛峯寺を結ぶ蛇腹道

朱塗りの根本大塔

 金堂
 総本山金剛峯寺は大主殿をはじめとして10くらいの建物があり、そのすべてが壮大であり、美しい。金剛峯寺本坊の最も奥まった囲炉裏の間には先月16日から公開中の千住博画伯奉納による金剛峯寺障屏画である「瀧図」と「断崖図」を見ることができた。もらったチラシによると「その静謐が流れ落ちる瀑布の轟音を吸い取り隣室のそそり立つ崖の行きつく先に開けた空間が人間に希望を与えてくれます。……」とある。今回、この絵を見る機会を得て幸いだった。

 この日の高野山の気温は10度。低い割にはお天気に恵まれて行楽日和となる。途中、紀州梅の里なかたで共通クーポンを使いだす。紀州田辺のホテル、ホテルハーヴェスト南紀田辺まで途中、1回の休憩をはさんで3時間ほどバスは走る。朝早い起床と乗り物と観光で旅の初日はくたびれ果てる。宿の部屋は広く、朝起きてみるとロケーションも素晴らしい。夜は会席膳のおいしい料理をいただく。食事後ホテルの売店で共通クーポンを使ってお土産を購入。クーポンを使って一安心し、露天風呂に入ってこの日の疲れをとる。ぐっすり眠った。

 第二日目 11月4日(水)

 目覚めると昨夜は気づかなかった宿からの眺めが素晴らしい。窓から見えるは伊勢湾!?すぐに部屋から外に出てホテルの周りを歩くと吹く風も心地いい。空を見上げると日差しの中にお月さんも顔を出していた。

 朝食はビュッフェ形式だが、各自両手に手袋をつけてトングなど使って料理を取る。このやり方もコロナ禍での知恵かもしれない。

ホテルの部屋から見える伊勢湾!?
 ホテルを8時に出発してバスは熊野三山の観光に向かう。2年前に同じ旅行社で訪れているとはいえ、観光のやり方もその時その時で異なる。まずは古式ゆかしい雰囲気の漂う熊野本宮大社へ。前回、知らずにいた八咫烏(やたがらす)を今回初めて知った。熊野本宮大社のHPによると八咫烏について次のように書いてある。

★八咫烏とは、当社の主祭神である家津美御子大神(素盞鳴尊)のお仕えです。日本を統一した神武天皇を、大和の橿原まで先導したという神武東征の故事に習い、導きの神として篤い信仰があります。八咫烏の「八咫」とは大きく広いという意味です。八咫烏は太陽の化身で三本の足があります。この三本の足はそれぞれ天・地・人をあらわす、といわれています。
コロナ禍のご時世、マスクをつけている
 ほかにもおがたまの木、を初めて知った。一円玉の裏にある葉っぱの模様がこの木に由来する。
おがたまの木

おがたまの葉

熊野本宮大社
両脇の幟に八咫烏が描かれている
 熊野本宮大社を参拝後、熊野那智大社に向かう。熊野三山へのお参りはどこも石段道で足元に気を取られる。さらに急な坂道を歩くと息も激しくなる。熊野那智大社に向かう道のそばを熊野川が流れる。この川に降りたくなるほど美しい川が流れている。
熊野川
 前回の旅と比べるのもよくないが、今回は前回ほど歩いていてきつくない。なぜと思ったら、熊野古道に一部残る大門坂を今回は上るのではなく、下って歩いた。バスの駐車場の加減でそうなったようだ。それと、この時だけはショルダーバッグをバスにおいて、ナップサックをリュック代わりに背負って歩いた。荷物が少なくて楽だったのかもしれない。那智の滝を見学後に青岸渡寺に参る。そこから歴史ある佇まいの石畳の道である大門坂を下った。いずれにしても2年前と今回の2回の旅で熊野古道の一部である大門坂の上りと下りの両方を歩くことができた。
那智の滝

熊野那智大社
 朱塗りの三重塔が美しい熊野那智大社や青岸渡寺のある境内には大きな那智の樟(くす)が植えられている。樟の木は巨木の根元の中が空洞になっている。その空洞に入る見学もあったが入らずに外から眺めた。
那智の樟

赤い実をつけたマムシグサ

大門坂までの熊野古道を歩いて下りた
 熊野那智大社から大門坂辺りまでに昔の装束を貸してくれる茶店がある。貸衣装代は1人3000円と安い。この日は数人がカメラ教室の勉強会で衣装を着けてモデルとなっていた。中にはかなり年の人もいた。
昔の装束でモデルになっている

上ったり、下りたりする大門坂
 熊野古道を歩いた後は荘厳な朱塗りの本殿の熊野速玉神社に参拝する。入り口には皇室ゆかりの神社らしく金色に輝く菊の御紋が光っていた。お昼は那智ねぼけ堂というお店で海鮮ひつまぶしの昼食をいただく。初めていただく味で最初は海鮮丼の感じで食べて、あとで茶碗にだしを加えてお茶漬けのようにして食べると教わる。速玉神社の境内は広く、観光を終えた道にはお土産を売る露天商の人たちが並ぶ。ミカンも1袋100円で売っていた。ツアーのン皆でミカンを購入。有田ミカンはおいしい。この年老いた露天のお店もGO TOトラベルのクーポンが使用可能だった。露店組合がまとめてクーポンを管理するのだろうか。なかなかの商売上手だ。
熊野速玉大社

皇室ゆかりの菊の御紋

 旅の2日目の宿は伊勢・的矢にあるホテル&リゾーツ伊勢志摩で午後6時前に到着。このホテルも夕食は会席膳。だが、おかしなことにコロナ禍対策なのか1人参加はまるで窓際族のように暗闇の窓に向かって座る。なんか変、と思って食事をいただいた。この日も露天風呂に浸かってぐっすり眠る。

第3日目 11月5日(木)

 この日の出発は観光地の駐車場が早くあかないらしく8時50分出発となる。朝食を食べに席に着くと前夜と同じ向きで座る。目の前は夕食時とは違って眺めがいい。それでこう座る、とやっと理解できた。まずは二見輿玉神社や夫婦岩を観光する。以前に来たこともあって何の感慨もない。そういえば母や姉妹家族とも来ていた。めおと横丁で使える100円分のお買物券を受け取るが買いたいものがない。これは人にあげた。真珠店にも立ち寄る。ここも以前に来たお店だ。共通クーポンは残りわずかで真珠を買える金額ではない。ましてやまったくこういった貴金属に興味がない。外に出て辺りを見渡していると白い蝶がただ1か所だけ舞っている。近づいても逃げようとしない。久々に蝶を見て写真に収める。

白い蝶
 伊勢神宮にバスは向かう。外宮・内宮とも以前に3度来ているので何の感慨もない。ただ、何度か来ていてもその時々で観光のやり方が異なる。今回は両宮とも菊花展をやっていた。さすがに本場の菊花展(?)と思わせるほど素晴らしかった。観光の合間に写真に収める。

外宮の菊花展

五十鈴川御手洗い場

五十鈴川にかかる宇治橋
 外宮・内宮の両宮を添乗員について観光後、午後3時過ぎまで自由観光となる。以前もおかげ横丁に来ている。修学旅行生や若者であふれかえるおかげ横丁。ここにはコロナ禍がどうよ、と言わんばかりにどの人も楽しそうにお土産を買っている。修学旅行生も共通クーポンをもらっているのだろう、お店の前に行列ができている。行列には並ばず、伊勢うどんとてこね寿司を探す。おかげ横丁に入ったすぐそばに美味しそうなお店があった。この両方がセットになって1400円。ツアーの3人でお店に入る。伊勢うどんはしょうゆ味で濃い味だ。うどんはやっぱり讃岐うどんよ、とは思っても口に出せず伊勢うどんを食べる。そして、てこね寿司もいただく。どちらも濃い味だった。この2つは初めて食べる。

 伊勢を後にしてバスは新大阪へ向かう。新幹線乗車まで新大阪駅構内でちょっぴり自由行動となる。集合場所近くのカフェに1人入ってサンドとコーヒーで一休み。もう立っていたくないほど足が棒になっている。初日、2日目と万歩計は1万歩近い。旅の最終日は1万7千歩と歩きすぎだ。カフェで飢えた子のようにサンドをがぶりとかぶりつく。ところがなんと石をかじったような音がする。せっかく歯科通いをしたのに……、と一瞬頭をかすめる。歯が折れたのかと思った。そうではなくて食べたサンドがライ麦入りの食パンで豆か何かの硬いものも入っていたのだろう。石のように固いものを口から出す。歯は大丈夫だ。ほかのサンドは怖くて食べられない。パンにはさんであるものだけを食べた。
おかげ横丁参宮亭での伊勢うどん
てこね寿司

 慌ただしくよく歩いた旅は終わった。今回の旅で少しは以前の旅心を取り戻した気がする。まだまだ元気で歩けると気をよくした旅となった。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

 メモとして今回の旅費1名参加は74000円。国の給付額は25900円。支払った旅費は48100円。もらった共通クーポン券は11000円だった。宿泊のホテルもよく、食事付きの旅。初めて出かけた高野山。次に行く機会があればもっとゆっくり観光したい。

2 件のコメント:

  1. 天気に恵まれましたね~素敵な写真をありがとうございます。

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    1. 舛井一仁様

      コメントありがとうございます。
      3日間、お天気に恵まれました。旅の良し悪しはお天気が7割ほど左右すると聞いたことがあります。その点でもいい旅となりました。寒くなってきます。コロナと風邪には気をつけたいものですね。ありがとうございました。

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