2017年2月21日火曜日

『生きづらさからの脱却 アドラーに学ぶ』

 昨年NHKで放送されたアドラー心理学。最近は民放でもドラマ化されている。だが、ドラマは見ていない。かなり前に岸見一郎の『生きづらさからの脱却 アドラーに学ぶ』(筑摩書房、2015年)を読んだ。以下はその中からの抜粋。他者に惑わされず、自分自身を信じて「今を生きる」や「よく生きる」に尽きそうだ。それには今まで通り「毎日元気で楽しく」。

★内村鑑三は、誰もが残せるという意味で、「最大の遺物」は、お金、事業、思想ではなく、生き方を残すことである。しかも、「勇ましい高尚なる生涯」である、といっている。(『後世への最大遺物』)          
 自分が不死であるということよりも、「生き方」を残すということが重要である。形として何も残されていなくても、後世の人がその人の生涯を思い起こす時、その人が生涯をかけて伝えようとしたものが理解できる。そうすることが亡くなった人を忘れないということの意味である。
 死を怖いものとは思わないからこそ、後世に何かを残そうと思えるのである。死の恐れにとらわれている人は、自分が死んでからのことを考える余裕はないだろう。それは死の恐れのためというよりも、生き方自体が自己中心的だからである。166p

★われわれは他者の期待を満たすために生きているわけではない。213p

★他の人に評価されることを恐れる必要はない。相手の評価より大切なのは、自分が今しようとしていることに対して自分自身が「YES」といえるかどうかなのである。214p

★人目や他者からの評価を恐れないために必要なのは、他者の人生ではなく、自分の人生を生きる勇気である。215p

★アドラーがいうように、sachlich(即時的)に生きることができれば、そして生をエネルゲイアとして捉えれば、最期の日を待つ必要がないと答えることができる。エネルゲイアとしての生は今ここで完成している。人は刻々の「今」を「生きてしまっている」のである。237p

★「大切にしなければならないのは、ただ生きることではなく、よく生きることである。」(プラトン『クリトン』)237p

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