会場に入り、着席した途端に後ろの通路から声をかけられる。ここでも人に出会った、と思った。この人とは不思議と偶然よく出会う。夜、電話がある。電話帳に登録していない人だ。携帯に出るとお昼に出会った人だった。この方と知り合ったのは日本画教室で出かけた八ヶ岳の旅だった。習う場所は異なっても同じ先生に日本画を習っている。
それ以来、街中やギャラリーなどでも偶然出会うことがある。究極は青山尼僧の講演会でも出会った。出会う度にそのタイミングの良さに驚く。昨夜も講演会で出会ったことに驚かれ、何故講演会にいたのか、と電話で聞かれる。その人は講演前にあった吟詠の先生のすすめによるらしい。チラシを見て講演会招待状を送ってもらったと話すと納得される。一番の目的は天野篤の講演を聞くこと。天野氏は天皇陛下の心臓を手術された人だ。演題は「日本を元気にする~あきらめない心が未来を拓く」。
昨日は「建国を祝う集い」で前半が「建国」を祝す行事。その中の万歳三唱。これには抵抗感がある。どういってもこういう行事への参加は初めてのこと。ただただ好奇心だけで一連の行事を見る。かなり冷めた気持ちで…。しかし、天野氏の講演は興味を持って聞く。目的がこの方だからそれも当然のことだ。
ウイリアム・オスラーの「医学とは不確実性の~」の言葉を引用して話を進める。初めて聞く名前の人だったがネットで調べる。以下がその参照。http://epilogi.dr-10.com/articles/1499/
話の中でよく出たキーワードは「エビデンス」。これもよくわからずネットで調べる。「1 証拠。証言。2 医学で、臨床結果などの科学的根拠。その治療法がよいとされる証拠。→エビデンスベーストメディシン」とある。
天皇の手術を通して「公平の原則」を話される。医療も「早い・安い・うまい」が大事らしい。そして医療とは技術と経験と知識でもって患者との心を通わせることだという。そこには若い頃、心臓手術で父を亡くした苦い経験が底辺にあるようだ。父親の最期に及んで病の事実を語らず、手術の手配をしたことを悔やむ姿があった。このことが心臓外科医へとなっていく。医学についてはわからない。ただ、日本語の話なので分からないなりにもメモしたキーワードは合っていた。
それにしても講演者は熱い人だ。天皇と手術前にご対面されたときのエピソードを庶民感覚で話される。体中から何キロも汗をかいたという。何ゴトにも冷めてなく熱い人だ。いくら医者嫌いの私であってもこういう医者だと心強い。どういっても輸血をせずに手術ができるそうだ。
講演会場を後にして福屋に入る。地下で7回忌に必要なものを購入しているとまたもや声をかけられる。よく声をかけられる日となった。自宅最寄り駅に着くと花屋へ寄って法事の花の手配をする。姉妹や姪への電話連絡、法要後に行うホテルでの食事会の予約、お寺への確認電話、他にもお供えやお布施などいろいろと用意がある。大事な位牌も持参せねばならない。それにして法事とは何と気ぜわしいことだろうか。
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