2016年6月28日火曜日

『絵はすぐに上手くならない』

 『絵はすぐに上手くならない』(成富ミヲリ 彩流社、2015年)、サブタイトルは「デッサン・トレーニングの思考法」を読んだ。サブタイトルどおり、絵の描き方が主ではなく、その思考法。老年になって暇つぶしも兼ねて絵らしきことをやっている。小さい頃、運動の次に絵を描くことが得意でなかった。それが老いて絵を習う。自分でも不思議で仕方がない。どういっても人に流されて習い始めた絵。しかし、今となっては日本画へと導いてくれた人に感謝しかない。そういえば運動音痴をプールへと連れ出してくれた人も感謝あるのみ。泳ぐ楽しみを教えてくれた私の人生一番の恩人だ!

 本の最後で著者は「感覚」、「考え方」、「性格」が自分の個性であり感覚であり感性だという。それを技術力で構築し、作品にしていく。すなわち、「人間であるということが、そのまま『センス』です。それが分からないと,『絵のセンスがある、ない』などと片付けてしまいます。センスとは、人間力のことであり、あなたそのものであるのです」とある。

 「人間力を磨く」のは「経験を積む」の一言らしい。それには美術館へ行く、アートの本を読む、など自分の中に様々な要素を取り込む作業をする。それが自分の感覚に一致するものであれば自分の成長の肥やしとなる。これこそが「感性を磨く方法」だそうだ。

 人と会い、知らない場所に行き、様々なものを食べ、色々なものに触れて感触を知ることも、全て自分の感覚を磨くことに繋がる。それにはイスラームの教えをたとえて行きと帰りは違う道を行くというのもいいそうだ。例えば行きは歩いて、帰りはバスにすると経験は倍になる。それにより、自分の中にストックされる風景や温度、匂いなどの蓄積も倍になるという。

 感性には老いも若いもないらしい。様々な経験を積んで自分の中で熟成が進んだ感性もいいそうだ。それでも外界とのズレやストレスが生じてくる。これも人と自分が違う部分であり、特徴だという。こういったズレやストレスが作品に繋がり、また深みを増すという。(122~124p)

 フルートのレッスンに行く際、広島駅から先生宅まで行きはバス、帰りは川沿いを歩いている。バスの便があまりないことからこのやり方になった。これもこの本によると感性を磨くことになる!?また先日の展覧会で「わからない」と話したこともそれはそれでいいようだ。
 
 近いうちに井原の美術館へ行く予定。初めて行く美術館。これも感性を磨く!?それには五感を研ぎ澄ます旅行がいちばんかもしれない。元気なうちはまだまだ旅行するつもり。今日も元気で!

0 件のコメント:

コメントを投稿