奈良の旅その2から続く。
2日目 2月22日(木)
8時、贅沢な気持ちで朝食を美味しくいただく。外に出ると傘をさすほどではないがお天気は良くない。昨夜、バスを降りてホテルに向かう途中、ぐるっとバスのバス停を見つけた。これに乗って奈良県庁前で降りれば奈良県立美術館で開催中の不染鉄の絵が見られる。ホテル近くの奈良市庁舎前のバス停で9時58分発のぐるっとバスに乗ったのはよかった。が、このバスの終点は大和西大寺駅と車内アナウンスがある。ぐるっとバスは循環すると思った。ところが運転手さんに聞くとそうではなく同じバスが10分後に出るという。そしてとなりのバス停で待つようにと言われる。10分後にバスが来た。運転手さんは顔を見て料金はいらない、という。ぐるっとバスの区間内はどこまで乗っても100円。しかし、バスがぐるっと回り続けず、今回のように停車して発車しなおすこともある。それにしても親切な運転手さんだった。
特別展 漂泊の画家 不染鉄~理想郷を求めて
ぐるっとバスに戸惑っていると時間はあっという間に過ぎてゆく。なんとか奈良県庁前バス停についた。奈良県立美術館は奈良県庁の裏側にある。奈良県庁のバス停で2人、降りた。県庁裏に美術館があっても、さてどちらへ、と地理がわからない。一緒に降りた人に聞くと同じく他所から来た人らしくわからないようだ。人が歩く方向について行くと美術館についた。
入り口で入館料1200円を払って中に入る。が、リュックを預けるロッカーがいっぱいで受付の人が預かってくれた。やっとたどり着いた不染鉄の展覧会には多くの人が来ていた。この人の絵を見るのが旅の目的なので時間を気にせずにゆっくり絵を見て回る。さいわい不染鉄本人に関する解説や絵に関する説明も自分の眼の高さに表示されており、目が悪くても今回はすべての解説文が理解できた。
不染鉄は僧侶の家で生まれた。もらったチラシによると「郷愁漂う村落風景に始まり、悠然とたたずむ富士の眺望や幻想的な夜の情景へと、遍歴を重ね、深まりを見せるその画境には、過去の思い出とともに、静穏な日々の営みを慈しむ、不染の理想郷的世界が投影されています」とある。
どの絵を見ても哀愁が感じられ、また心に沁みる絵でゆっくりと見た。この人の生き方は同時代の田中一村や高島野十郎を想起させるとか。この3人の絵は今回の展覧会ですべて見たことになる。田中一村の絵は三次の美術館で、また高島野十郎の絵は数年前に海外旅行の帰りに福岡市立美術館に立ち寄って見ている。近いうち、田中一村の絵を見に離島へ行く予定。
絵は見るのも描くのも大の苦手だった。それが10年前にひょんなきっかけで日本画を習い始めた。まさか自分が絵を描くことになるとは我ながら驚いている。それが描くだけでなく見るのも好きになるとは……。それも不染鉄、田中一村、高島野十郎という同じような生き方の絵に惹かれるとは、これまた驚き。
年老いて気に入った画家3人に巡り合えたことは何かのご縁でこれも幸いと思う。
絵を堪能した後は東大寺に向かう。とっくにお昼は過ぎているが、ホテルの朝食をしっかり食べている。あらかじめ東大寺ミュージアムのカフェをネットで調べていた。人に聞きながらもなんとか東大寺についた。東大寺ミュージアムでチケットを買おうとすると東大寺総合文化センター内にあるカフェは自由に入られるという。カフェは茶廊・葉風泰夢でなんともロマンあふれる名前だ。ここで珈琲と菓子のセット(日餅セットあんずホットコーヒー 800円)をいただく。ミュージアムに入る前、受付の人と話した際の親切な応対にも感動した。
ツアーなどに参加して美術館に入ったとする。その際、そこのカフェに入るのが夢と話した人がいた。確かにミュージアムショップやカフェは洗練されていて夢がある。今回、東大寺ミュージアム内のカフェでゆっくりできてよかった。どういっても前日、17000歩とよく歩いている。少々、足も疲れてきた。カフェで気持ちを充電してその後、鹿たちのそばに行く。
東大寺へは母たちと出かけたことがある。今回はそれ以来になる。大仏様は覚えていても他はよく覚えていない。大仏殿内は多くの観光客でごった返していた。海外の観光客も多く見られた。
東大寺南大門を通り抜けようとしたら、足が短くてすぐには出られない。これには我ながらちょっとびっくり。足の疲れもピークに達し、バスに乗ってJR奈良駅を目指す。しかし、バス乗り場がわからない。掃除をしていた人に尋ねてバス乗り場を教えてもらう。ぐるっとバスの標識を見ていると若い兄ちゃんに声をかけられる。どこへ行くのかと聞かれてJR奈良駅、と話すと止まっているバスに乗るようにすすめられる。後でわかったのだが平日はこのあたりのぐるっとバスは休みで祝祭日に動くようだ。そのこともあって止まっているバスをすすめられたようだ。
JR奈良駅に着いた。旅のガイドブックで知った白玉屋栄壽奈良店の名物みむろ最中を買いに行く。1箱12個入りを買ったはいいが家に帰ってみると個別包装でなかった。日本画教室へのおみやげはサランラップ持参で行こう。旧奈良駅舎内に観光案内所やスターバックスが入っている。予定の列車発車までスターバックスで珈琲タイム。しばし足の疲れを冷ます。
大仏殿(東大寺金堂)(国宝) |
東大寺盧舎那大仏大仏(本尊)(国宝) |
横からの大仏様 |
テレビで見て知った東大寺の柱の穴くぐりを若者たちがやっていた |
大仏殿の庭に咲く梅 |
東大寺八角灯籠(国宝) |
多くの鹿を見た |
東大寺南大門 |
東大寺鏡池 |
今回の旅は一人旅の楽しさをかなり実感した旅となった。出かける前、ネットで調べて出かけた。一人旅のお陰で旅の楽しさと同時に勇気と自信がついた。小さいころから大人になるまでバス酔いが激しかった。その頃は一人でどこへでも行く自分が想像できなかった。そう考えると年は取ってしまったが、これから先の旅も楽しく行けるに違いない。元気と勇気をもってこれから先も楽しい旅を続けよう!なお2日目は13000歩と2日間よく歩いた。
ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!
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