今年の土用の丑の日は7月27日(木)とか。この「土用」が何の意味かも知らずにこの丑の日にウナギを食べる、とスーパーのチラシで気づく。昨日、生協に行ってウナギならぬアナゴ弁当を購入。ウナギは口に含んだあの独特のにおいに負ける。その点、アナゴは嫌なにおいがない。しかしアナゴも焼き方で味が異なる。蒸し焼きよりも蒲焼きがいい。
だいぶ前に読んだ『花咲ける上方武士道(ぜえろく)』(上)(司馬遼太郎 春陽堂書店、2022年新版改訂版第1刷)から気になる箇所をメモした。
ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!
★青不動は短い腕をあげてのびをすると、船内の闇に溶けた。その背を見ながら、(なんのために……?)と、則近はおかしさがこみあげてきた。なんのために刺客にねらわれたり、えたいの知れぬ軒猿にまもられたりせねばならないのか。公家の家にそだった則近には、自立して自分自身の人生を開くことにさほど興味がなかった。町人の家に養子にいけといわれれば、それもおもしろかろうと思ったし、粟田ノ法親王から秘密めかしい書状が来れば、ひょっとすると退屈ざましがそこに待っているかもしれないと思って、すなおに淀川のぼりの船に乗った。いつも自分の運命は、他人が決めてくれている。(71p)
★京へ潜入する者を、かれらの仲間では雅客(みやびきゃく)(官飛脚)といい、島津領へ潜入する者を薩摩飛脚という。当然、黒い雅客の跳梁は、尊融法親王の身辺に集中されていた。法親王のほうも、これらの雅客から、行動の秘匿や安全をまもるために、伊賀在国の者からこの技法の伝承をつぐ者を選んだ。宮方では、その者たちを軒猿とよぶ。名張ノ青不動と、その配下の下忍がそれである。(85p)
★「漢語で武士のことを貔貅(ひきゅう)とか申す。けものの所作にも負けぬ者が武士でござるぞ」(170p)
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