2021年8月18日水曜日

見逃し配信を見る

 大雨警報の中、予約していた大型ごみ2件は無事引き取ってもらった。11日から降り続く雨はまだまだやみそうにない。外へも出られず家でおとなしくテレビを見る。テレビはテレビでもNHKの見逃し配信であるNHKプラスだ。プレイリストのドキュメンタリ―から見たい番組を探す。2件の番組はいずれも1時間番組だ。

 1件目は宗教の時間「こころの時代~宗教・人生~ 瞑想(めいそう)でたどる仏教~心と身体を観察する5」を見る。朝5時に放送された番組は起床時間が遅いのでテレビでは到底見ることができない。番組HPによると「悟りの契機となっためい想を通じて仏教の誕生、変遷をたどる6回シリーズ。第5回は、仏教のめい想が日本でどう受容され、展開したのか学ぶ。平安末期の乱世の中、出世のためでなく、人々を救うため立ち上がった法然、親鸞、栄西、道元、日蓮など遁世の僧たちは新宗派を次々とおこしていく。宗派の違いを超えて受け継がれてきたブッダの教えとは。修行道の観点から、宗教学者・蓑輪顕量さん、元陸上競技選手・為末大さんとひもとく」とある。見終わっても宗教は難しすぎて今一歩、何も語れない。

 もう1件の番組はドキュメンタリーからETV特集「“焼き場に立つ少年”をさがして」を見る。この番組も深夜に放送されている。NHKプラスで見ることができたが1時間番組でもあっという間に終わった。というか考えさせられる番組だった。広島と長崎は原爆という忌まわしい出来事に遭遇した。戦後生まれではあるが、何がどうあっても戦争はよくない。広島も長崎もその住人であればどの家も誰かが原爆の悲惨さを蒙っているに違いない。

 悲惨な原爆を蒙った中に“焼き場に立つ少年”もいた。原爆に遭遇して亡くなった幼い弟を背負って一人焼き場に立ち、その順番を待つ少年。唇をかみしめて立っている。原爆を投下したアメリカのカメラマンが直後に写した数多くの写真からこの少年の身元を探してゆく。一枚の写真から現代のデジタル技術を駆使して撮影現場を特定する。いろんな専門家の手を借りてやっと場所を特定してもその子供のその後はわからない。

 番組HPは以下のように書いてある。

★原爆投下後の長崎を訪れた米軍カメラマン、ジョー・オダネルが撮影した「焼き場に立つ少年」。近年ローマ教皇によって取り上げられたことで世界から注目を集める写真だ。しかし撮影から75年経つにも関わらずその撮影日時や場所は謎に包まれたまま。番組では米軍が戦後九州で撮影した約4千枚の写真を主な手がかりに写真を多角的に分析。原爆孤児らの証言をひもときながら「焼き場に立つ少年」が生きたはずの戦後の日々を見つめる。

 撮影したカメラマンは長崎の原爆についてのインタビューに次のように答えた。

Q:アメリカ人として原爆投下直後に町を歩いてどう思ったか?

A:原爆は間違いだと思った。

Q:原爆がアメリカ人や日本人の多くの命を救った、という人々に言いたいことは?

A:(原爆は)何も救わなかった。罪のない人々を殺しただけ。私の考えに同意しない人がいるのはわかっている。でも、我々はおばあさん、おじいさん、子供を殺した。

Q:無意味な虐殺だったと?

A:そうだ。

 放送では焼き場に立つ少年のように原爆孤児となった人たちの証言がある。決して語ることのなかったこれまでの人生を涙ながらに話す場面では見る者の心が揺さぶられる。

 焼き場に立つ少年、をカメラに収めたカメラマンは弟が焼かれた直後、振り向きもせずに少年は立ち去ったという。その少年はその後どんな風に生きたのだろうかか。

 写真から少年の片方の鼻に詰め物があり、目は充血している、と原爆を専門とする医師は話す。これは血が止まらない症状で原爆症の一つらしい。事細かに専門家が一枚の写真を紐解いてゆく。多分、このことが自分の頭の隅に残ったのか、夜中に目が覚めた。

 世間では原爆投下が戦争を終わらせた、というようなことを聞くことがある。だが、カメラマンが言うように「原爆投下は無意味な虐殺だった」、としか思えない。もう2度とこういうことがあってはならない。今の世の中、ひとまず原爆はおくとしても目の前には長引く大雨とコロナ禍が立ちはだかる。早く落ち着くといい。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

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