「現代日本画の名品からは、何か共通した感動が伝わってくる。この何かとは何物か。…そして最近、それが『神韻縹渺』(しんいんひょうぼう)と批評されるものだと、確信するようになった。…物の姿をどう描くかといったレベルを超えて、画布からにおい出してくる、神妙な雰囲気こそ、名作とよばれるものがもつ品格なのであろう。」82p(中西進『ことばのこころ』東京書籍、2016年)
これをどう漂わせたらよいか、思い悩んだ筆者は手塚雄二画伯が平山郁夫画伯から助言されたという「徳を積め」という言葉を聞く。…「徳という文字の本義は真っ直ぐな心である。巧く描いてやろうとか、傑作を生もうなどと考えない、明澄な心が画家に神韻をもたらす。いや、すべての人に気高い成果を与えてくれるものが、徳なのであろう。『徳は孤ならず、必ず隣あり』(論語)ということばもある。徳は一人よがりのものではなく、万人と馴染み合うやさしさにまで到達しなければ、徳とはいえないのである。」82-83p
「徳」は万人と馴染徳み合うやさしさ…。わかるけどなかなか難しい。人とすぐに馴染むところがある。この頃、これに対してしきりに反省。以前読んだ本に「丁寧語で話す」とつき合いも疎遠になる…ようなことが書いてあった。そうだ、言葉遣いが問題だ。そう思って人と丁寧語で話せばいいモノを相変わらず広島弁丸出しで気安く話す。これが問題!とはいっても話す人全部が全部そうとも言い切れない。言えることは人の心は他者が自由にはできないということ。逆もそうだけど。まあ、ともあれ「徳を積め」!?とはいっても「徳」でいう馴染み合う優しさ、とはこういうことじゃない!
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