東山魁夷展の記念講演会(2)に出かける。ところが開場後15分過ぎに行くと長い列。なぜ会場に入場しないのかと先頭の人に聞くとすでに満員らしい。それでも並んでいるとしばらくして、会場外の通路に椅子を並べて座らせてくれるという。ところが、会場の中はまったく見えず、司会者の声も聞き取りにくい。椅子は隣り同士がくっつき、窮屈この上ない。こうまでして講演を聞くこともないと席を外して、3階で開催中の東山魁夷展を見る。
先日、「東山魁夷の生涯と芸術」と題した講演を聞いた。ところがなぜ魁夷は自然に惹かれるようになったのか。その経緯は聞いていない。今朝の地元紙に䑓信祐爾(だいのぶゆうじ)はこれについて寄稿している。
「終戦直前の1945年7月末に千葉の連帯に入隊し、熊本に移動した魁夷は、連日、敵の戦車に爆弾を抱いて飛び込む訓練を受けていた。8月7日、熊本市内の焼け跡整理の作業中に、ふと目に飛び込んできた肥後平野と阿蘇の雄大な風景に心震えたという。…魁夷は自問自答した。…自分の心の目が曇らされていたために、自然の美しさを素直に見ることができなかったのだと思い当たった。もし、再び絵筆を握れる日が来たならば、もう二度と決して来ないだろうが、今の気持ちで風景を描こうと誓ったという。」
次の言葉も素晴らしい。「一見単純な色でも、時間をかけて、多くの色を塗り重ねているのが分かるだろう。そして魁夷が歩きつづけた『一筋の道』を見つめてほしい。」
お天気が良くないにも関わらず、展覧会会場は多くの人で賑わう。どの絵も素晴らしかった。それでも特に気に入ったのは「行く秋」と「白い朝」。見終えるとグッズ売り場で日経ポケットギャラリー『東山魁夷』を購入。家に帰って目録と照合すると今回の展覧会の絵が多数掲載されている。そして絵ハガキは「行く秋」購入。だが「白い朝」は売り切れたのか元から無いのか見当たらず、残念。
ともあれ、購入した本はポケットギャラリーと名がついている通り、どこへでも持って行けそうだ。
今朝はこれから日本画展の受付の当番に出かける。今日も元気を出して行動開始!頑張れ!
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