初夏らしい季節になってきた。我が家のレモンの木もたくさんの蕾をつけ、新緑の葉っぱは芳香を放っている。そのまわりでは蝶々の飛び交う姿も見られる。
最近読み始めた茂木健一郎のブログを訪問すると「デブ」の話題がある。
「いやあ、人生って、わからないものだねえ。10代、20代は、ぜったいにデブにはならないと思っていた。ほんとだよ。」。
近くに住む幼馴染と話した際、中学時代の同級生6人でハウステンボスに出かけた写真をみせてもらった。幼馴染と1人を除いた4人は中学時代に比べてなんと20キログラムも体重が増えたという。6人の内3人は中学時代ソフトボールの選手。県大会まで出場しているつわものだ。
だが、中学時代のスリムだったスポーツ選手の面影はなく、今では貫禄十分のオバチャンになっている。とはいっても年齢的には誰も皆オバチャンだけど・・・。それにしても・・・とその写真を見てびっくりする。たとえ中学時代美人であっても、今の形相は「こりゃ、なんじゃ!?」。
茂木は太っていく自分を「アベノミクスは、デフレからの脱却が問題だったけど、オレは、体重インフレ(徐々に)からの脱却が問題だ。」と表現する。この「体重インフレ」は可笑しい。
また「木下優樹菜さんに『きゃあ、かわいい。くまのプーさんみたい!』と言われて以来、『オレはくまのぷーさんで』と講演会などでは言ってきたけど、それじゃあかわいすぎるという文句が聞こえてきたので、最近は『くまモン体型で・・・』と言うことにしている。」とか。
そして体重が増えないようにと努力もしているらしい。とはいえ、その日のブログタイトルが「10代、20代は、ぜったいにデブにはならないと思っていた。ほんとだよ。」はどう考えても可笑しい。
それをもじっていえば「10代、20代は、ぜったいにオバチャンにはならないと思っていた。ほんとだよ。」。これと同じようなことかもしれない。
オバチャンといえば、図書館で月刊女性誌を読むと、岸恵子と酒井和歌子のインタヴュー記事があった。この2人はけっしてオバチャンになっていないし、デブでもない。同性から見ても感じがいい。
酒井和歌子はインタヴューで「父が亡くなり、ふさぎこんでいた母を無理やり誘い出してから2人で旅をするようになりました。」、「現在、必ず朝に40分間のウオーキングをして、週に2回はプールで泳ぎ、体力づくりをしている。」、「北極ツアーには86歳で元気に参加している方もいらっしゃいました。私は何歳まで可能かわからないけれど、これからもできる限り旅を続けたいと思っています。」と述べている。
酒井は週2回プールで泳いでいる。ウオーキングはしていないけど、週1回は泳いでいる。とはいっても、もともとは体のために泳ぎ始めたのではない。泳げるようになりたい、その気持だけで泳ぎだす。今もその気持に変わりはない。体のためでなく楽しいから泳いでいる。そうしないと泳ぎは長続きしないだろう。
また「父が亡くなり・・・」のところは同じくそう思った。父が亡くなって半年後、母に元気を出してもらおうと鳥取砂丘へ連れ出した。行く前は父が亡くなってまだ一年も過ぎていない、と乗り気でなかった母も、一度外へ飛び出ると楽しかったのだろう。それからは休みがあると母たちと出かけた。
酒井和歌子のように今でも親娘で行く話を聞くと羨ましい。もう一度ゆっくり行きたかったなあとしみじみ思う。もう、それも仕方ないことだけど・・・。
次は岸恵子のインタヴューの言葉。「ヨーロッパの言語は論争に勝つための、強い言葉なんです。一方、日本語はとても優しい言語。寂しい、侘しい、悲しい、切ない・・・こんなにも感情表現が美しく豊かな言語は他にはないんじゃないかしら。書くことは孤独で苦しいけれど、孤独を愛する贅沢と幸せも同時に感じます。美しく聡明なだけではない。・・・」。
この人は賢い人に思える。特に最後の2行は素晴らしい!誰も皆、「孤独」を感じている!?
デブにならず、オバチャン(年齢からすればとっくにそうかもしれない。だが、せめて気持ちだけでも)にもならないようにして毎日を過ごせたらそれでいい!そして元気で楽しく!
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