久しぶりに呉に出かける。その目的は「呉市潜水調査記念シンポジウム海底の戦艦大和」の講演会を聞くこと。講師として近現代史の専門家である加藤陽子と日本水中考古学調査会会長井上たかひこを迎える。加藤陽子は『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』の著書などがある。これに刺激されて講演を聞く。聴衆の大半は中高年の男性。その中に交じって話を聞く。席は前から6列目。
会場は呉市役所内にあるくれ絆ホール。ここへは初めて入る。呉駅から徒歩でかなりある。途中人に聞いては目的地まで歩く。9月とはいえ、まだ暑い。講演後、呉駅を目指すとなんと途中に呉市文化ホールがある。行きはかなり遠回りをしていたようだ。
井上によると世界には300万個の船などが水中に眠っているとか。戦艦大和の調査に携わった井上は海底電話ボックスのお蔭で潜水しやすくなったという。これはいわゆる海のシェルター的存在?何か危険が迫ればこれに入るらしい。タイタニック、五島列島の潜水艦、第二氷川丸などを例にして話を進める。日本の水中遺跡はいろは丸など500あるそうだ。水中に眠るこれらの遺跡はフナクイムシや錆つららで腐食し、保存状態も悪くなる。劣化を防ぐには陸にあげるのがいい。しかし、それには費用面など大変なため、水中で保存。戦艦大和も全部を引き上げるのではなく、その一部でも…との案もある。しかしそれも大変らしい。
「近代史の視点から、戦艦「大和」をめぐる社会背景を考える」は加藤陽子の演題。かなり詳細なレジュメをいただく。興味深かったのは当時の政府は目の前に起こっている「日中戦争」を「東亜の内乱」ととらえる姿勢。当時は陸軍中心の戦争で海軍は決戦1回のみの考えだったとか。陸軍は加藤によると暴君だった…。
会場ではしきりにブログやインターネットでの発信をしないようにと呼びかける。それは写真やビデオのことだろう。ネットで検索すると加藤の動画は多くアップされている。これを注意喚起したにちがいない。
ともあれ、興味深い話を聞けた。まだまだ分からないところも多い。加藤の本を徐々に読もう!
話は変わって昨夜のNHKBSのグレートネイチャー。昨夜は1時間半にわたって「体感!グレートネイチャー『南西諸島1200キロ! 隆起と潮の大絶景』」が放送された。番組HPによると以下のようにある。
★日本の鹿児島から沖縄にかけて、200ちかくの島々が連なる南西諸島。そこは<大奇観の宝庫>だ。屋久島「巨大な一枚岩の滝」、「緑輝く屋久杉の森」、そしてモンスーンが生む「幻の滝」…さらに口永良部の「激烈火山」、沖永良部島の「サンゴ礁の奇岩群」、「地下空間・白亜の宮殿」…これらの絶景誕生の秘密をおっていくと、大地の隆起と暖流・黒潮の知られざる相互作用があった!1千万年に及ぶ海と大地の物語をつむぐ。
こういう放送を見る度、日本にはまだまだ知られざる秘境がある、と思い知らされる。http://www4.nhk.or.jp/greatnature/x/2017-09-09/10/23612/2551087/ 番組HP
ここにどう表現してよいかわからない。それほどまだまだ見たこともない世界がこの地球上にはある。せいぜいテレビを見て知るに限る!?
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