2017年5月15日月曜日

ポーランドから帰って その1

 未知の国へのあこがれ、というか好奇心だけで出かける旅。それは日常から逃れる旅。今回はポーランド。「ポーランド7つの世界遺産を巡る旅8 日間」と銘打った旅のパンフ。博多駅近くのホテルの前泊を入れると9日間の旅となる。昨日、定刻通りに飛行機は無事、福岡空港着陸。正午ちょうどに博多駅発の新幹線に乗るにはあまりにも時間がありすぎる。どういっても新幹線チケットは「おとなび」利用。正規運賃よりも6割引きは変更・取り消しはご法度。

 機内で思いついたのが旅に出る前に新聞で知った福岡県立美術館所蔵の高島野十郎の絵画を見ること。後日、「おとなび」利用で観覧する予定を急きょ、今回の余暇時間を利用して出かける。

 どういっても旅の荷物が重すぎる。先ずは博多駅ロッカーを物色。預けようにも空いたロッカーがない。他の場所を係りに聞いてやっと見つける。と、その前に旅の案内所を探す。ここで県立美術館への行き方を尋ねる。交通の便が悪いらしくタクシーを利用。

 なぜこうも美術館へと人を駆り立てる!?機内で寝ていないし食べてもいない。それでも元気。現地時間に換算すれば午前1時から2時。真夜中の徘徊時刻も博多では午前9時。朝の太陽がまぶしく感じられ、人を美術館へと向かわせる。

 タクシー料金は博多駅から1120円。近くにあるのはいいのだが美術館開館時刻までは30分ある。警備の係りは親切な人で展示会場はまだでも4階に高島の絵の一部が展示してあり自由に閲覧可能と教えてくれる。さらには2階で絵に関する映像もあるという。しばらく教えてもらった箇所を見た後、開館時刻となる。

 展覧会場には数点、高島野十郎の絵があった。日経新聞で見た「早春」は全国を巡回中。だが、他の絵を見ることができて大満足。旅の疲れは何処へ?10枚セットで絵ハガキとなった高島の絵が販売されている。絵に関する内容が一枚ずつ印刷された紙に絵ハガキは挟んである。こういうやり方での販売にも感動する。

 旅に出る前、ポーランド通貨への両替など気になることがあった。だが、それも何もなかったかのように楽しい旅は終わる。いつもながら今回もいいコト、ヒト、モノに出合った旅となった。それはどういってもこの国の良さにもある。ポーランド、何の予備知識もなく出かけた。ただ、この冬、偶然目にした「梅田良忠」という人の本。これは読んで行ってよかった。旅の途中、中谷さんというアウシュビッツで日本語のガイドをされている人に出会う。その方に梅田のことを話すと当然ご存じだった。

 中谷さんご自身も梅田良忠と同じくポーランドに殉じようとされるかのようだった。まだお若い人なので「殉じる」は失礼かもしれない。それくらい、ポーランドにご自身をかけておられる。

 旅は終わってもこれからの課題として中谷さんをはじめ、いろんなヒト、モノ、コトについて調べることがある。1か月後を目途にして旅の紀行をブログにアップしよう。

 中谷さん以外にもツアーの皆さまによくしていただく。特に熊本県の人たち。この方たちは先の震災で心理的にも被害をこうむっておられる。昨年は旅に出る気力が衰えていた人もおられたようだ。しかし、今回のポーランドへの旅の参加者は熊本の人が私の知る限り8人もおられた。

 どういっても36人という旅の参加人員。これは海外旅行をし始めてから31年で最多だった。うち9年間行かれない時期もあったが…。一人参加も14名と多い。

 学者や絵描き、そして楽器に堪能な人もたくさんおられた。中でも学者(お仕事はこちらが言い当てて知る)でハーモニカ奏者の人とはヘルシンキでの数時間に及ぶトランジットの際、ずっとお話を聞けてありがたかった。会った瞬間、偉い人と思った。物静かな方で決して偉ぶることはない。機内で見た2つの映画。”THE  LAKE HOUSE”と”THE NOTE BOOK”。いずれも「回想記」が映画の内容となっている。話を聞いていてまるで映画の続きと思えるほど、ご自身のことを話してくださった。鞄から資料を出してはいろいろと話される。資料にはポーランドへ行く目的のものもあるようだった。九州の大学で知り合ったというポーランドの留学生。その後、その留学生はバリトン歌手と結婚し、日本語の文庫本を読みこなすという。今はポーランドの大学で日本語を教えておられるようだ。その人へのお土産に10冊か20冊ほど日本の文庫本などを持って来られたという。

 ポーランドでのある夜、その方はホテルで20年ぶりのご対面をされるという。そしてハーモニカを吹くともいわれる。だが、再会の日に限って移動のバスが大幅に遅れる。レストランでの夕飯も取らずに会われていた。後で聞くとハーモニカは小さな音で吹いたそうだ。

 旅の最後の晩餐でショパンのピアノを聞き終えた後、ハーモニカの出番がやってくる。🎵荒城の月🎵のハーモニカ演奏の良かったこと。思わずブラボーと叫ぶ。いつの間にか旅の一行のアンコールのコールが始まる。リハーサルなしのアンコール・コールはすごい!🎵赤とんぼ🎵を吹かれた。素晴らしい演奏だった。曲には変調やアレンジもある。どういっても気持ちよく吹かれていたのでご自身が一番満足されただろう。

 ワルシャワの旅先では小休憩の時間、買い物をせずにベンチに腰掛ける。隣に座っていたポーランドの人とカタコトの英語でお話ししている途中、「ちょっと待って!」と英語で言われる。数分も経たないうちにお土産屋で購入されたショパンの生家の絵が入ったマグネットをくださる。旅に出て見知らぬ現地の人からお土産をいただいたのは今回で3度目。もう嬉しくて…。ポーランドが大好きになった。本当にありがたいし、いい思い出となった。こちらとしては何もお土産がない。バッグに入れていたありったけのキャンディを差し上げる。本当に申し訳ない。

 旅のうたい文句には決して掲載されない「野原」の国ポーランドがある。バスの移動で目にするのは何処までも続く菜の花畑。これは一見の価値、大いにある。デジカメでの初めての動画撮影は延々と続く菜の花畑。いろんな国へ出かけている。だが、これほどの菜の花畑を目にするのは初めての経験だった。台湾の人とも出会った。頭の中は英語と中国語でごった返す。

 楽しいポーランドの旅は終わった。この詳細は後日、ブログにアップしよう。楽しい旅をご一緒した皆さんに感謝したい。謝謝!、”Thank You”、 ”Dziękuję”、ありがとうございました!

 忘れてはいけない。熊本の画伯。10月に個展開催だそうだ。見たいけどさてさて…。

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