2023年4月13日木曜日

奈良への旅

 2023年4月8日(土)から4月10日(月)まで奈良へ出かけた。今回はツアーでなく米子の友だち姉妹との3人旅である。米子の友だちとは今から33年前に出かけたパキスタンの旅で知り合った。それ以降、米子や広島で何度か会っている。

 旅の計画は友だちに任せた。というのも友だちは旅なれていて奈良へは何度も出かけている。個人的には吉野山にある金峯山寺の桜を愛でることにあった。そのため吉野は必須の条件であとは友だちに任せた。スケジュールはさすがに旅好き、を思わせるほどの良さだった。ただ初日に奈良駅で合流した際の友だちの姿を見てびっくりする。シルバーカーを押している。また友だちの妹さんも足の具合がよくないという。一抹の不安を抱きながら旅をする。

 2023年4月8日(土)
 
 広島駅9時43分発ののぞみに乗車。新大阪へは11時4分着。ここから「おおさか東線」に乗り換えて11時22発の直通快速に乗車、JR奈良駅に向かう。新大阪で迷うことなく乗車して5分遅れでJR奈良駅に着いた。友だちの姿がないので用を足して戻ると友だちと無事合流。友だちは米子在住で7時台の高速バスで難波まで乗り、そこから電車で奈良駅に到着。合流時は12時半。奈良駅でお昼を食べる。この時、米子の友だちから肉類、卵、牛乳は食べないと聞いた。まるでビーガン、と思ったらそれに近い生活だそうだ。

 この日は夜に新薬師寺のお松明を見るのが主な予定。それまでまずは泊まるホテルに荷物を預けに行く。ホテルはリガーレ春日野。奈良駅の案内所で「奈良公園・西の京 世界遺産!Day Pass」を当日と翌日分それぞれ購入。1日乗り放題で500円。これを首にかけてバスに乗車すればその都度料金を支払わなくて済む。2日とも何度も利用でき、お得感満載の切符だ。

奈良公園・西の京 世界遺産!Day Pass
 JR奈良駅バス停から近鉄奈良駅バス停までバスに乗車。ここで乗り換えてホテルに到着。チェックインまで時間があるので荷物を預ける。その後、またバスに乗って新薬師寺に向かう。お松明は5時からだが7時から本格的なお松明になる。到着すると早くも席を確保する多くの人がいる。予定では新薬師寺そばの入江泰吉記念奈良市写真美術館へ行く予定だったが閉館が迫っていてあきらめる。

 日も落ちて辺りが暗くなる。お松明が始まった。席を陣取っていた人も総立ちになり後ろにいては見られない。カメラを片手に遠くから見ていると近くの人が入って見るようにと言ってくれる。お陰で写真に写せた。修二会(お松明)の後だけ堂内を見学できるという。堂内には国宝の仏像が12体安置されているとか。それらは薬師如来像を囲むように安置されている。が、人が多くてゆっくり仏像を見られない。また堂内はカメラで写せなかった。が、後で外から写した写真を見ると堂内の仏像の一部が写っていた。
燃え盛る松明を肩にかけて本堂の周りを歩く



燃え盛る松明

お松明の残り火
 修二会(お松明)が終わると堂内に入る人や地に落ちた松明の灰(?)を拾う人でごった返す。何も知らずに参加したので地面を探す人に声をかけると燃えカスを拾うと病気が治るとか。この夜は割と寒かった。お松明の残り火を囲んで温まる人もいる。

 暗い夜道をバス停まで歩いていると声を掛けられる。お松明の写真がうまく取れているといいが、と話した人は東岡山から来た観光客だ。中学の修学旅行で奈良に来て以来、奈良に魅せられたという。カメラの三脚を持っての参拝だった。

 バスで近鉄奈良駅に向かう。ここでイタリアンの夕飯を食べる。時刻は夜9時過ぎと遅い夕飯だ。ホテルまではタクシーで帰る。が、タクシー乗り場にタクシーは来ない。体も冷えてくる。かなりタクシーを待ってやっとホテルに到着。友だちはホテルに入ると2時間、バタンキュウーと寝たそうだ。草臥れたのだろう。シルバーカーに。万歩計は6505歩。

 2023年4月9日(日)
 
 ホテルリガーレ春日野の朝食は豪華だった。泊まる前からこのホテルの朝食がいい、と友だちは話していたが本当にそうだった。ホテルでチェックアウト後、次のホテルへ荷物を預けるために!Day Passを利用して移動する。ホテルは東横イン新大宮。このホテルは近鉄電車の新大宮駅そばにある。しかし、バスの利用だと電車と違ってかなり歩いた。ホテルに荷物を預けて佐保川土手にある奈良県立図書情報館に行く予定だった。が、桜はどこも散っている。行くのはやめて次の予定のあしびの郷でのお昼までを近鉄奈良駅界隈で過ごす。

 界隈にはお寺が並ぶ。初めに率川神社(いさがわじんじゃ)とも言われる子守明神に参る。境内にあまり人気がなく、神社の奥へは入られない。子守明神に参拝する。
率川神社(いさがわじんじゃ)子守明神
 次は傳香寺に参る。境内の掲示板を見ると傳香寺の散り椿は「天正一三年(一五八五)筒井順慶法印の菩提を弔う為建立された伝香寺本堂(重文)前に母芳秀尼公が供えたと伝えられる。東大寺のりこぼし椿・百毫寺五色椿と共に奈良三大椿という。この椿は桜の如く散ることからそのいさぎよさを称して武士(もののふ)椿と別名される」とある。最近椿にハマっている。椿の時季は過ぎていたがそれでも少しだけ咲いていた。奥に入ると藤が満開だった。

傳香寺の散り椿

傳香寺の藤棚
 近鉄やJRの奈良駅に近いこの界隈は世界遺産が多い。元興寺は中に入らず外から屋根瓦を見学。かなり歩いたので疲れてくる。元興寺辺りは「ならまち」で格子の家が立ち並ぶ。そんな中にあしびの郷がある。ここでお漬物御膳をいただく。お昼の定食はこのほかにも1つあるだけ。午後2時というのにお店のお客は多く蔵を改造したと思われる雰囲気のある部屋でお昼をいただく。@¥1600。お漬物御膳はお漬物ばかり、と思ったら違っていた。というのも家でも外でも漬物はほとんど食べないのでどうかなと思ったら、お漬物がついている日本料理だった。あしびの郷の後、春鹿で試飲を予定していた。ところが観光客でごった返しているのであきらめる。

 かなり歩き草臥れて早めにホテルへ戻る。友だちはシルバーカーを押しての観光だ。かなり草臥れ果てたようでホテルに着くと3時間くらいお昼寝time。この夜も夕飯は遅い。友だちがお昼寝(?)から目を覚ますと8時半ころから近くの中華料理店へ行く。この日の宿泊代は宿のポイントがたまっているとのことで私のシングル部屋をそれに充当してもらった。タダで泊まるのは悪いのでその代わりに夕飯をご馳走する。出かけた中華料理店はホテルに入っているのでかなりいいお店だ。3人で11000円。久々に雰囲気のある中華料理店でいただいた。万歩計は10482歩。

 2023年4月10日(月)

 今回の旅の一番の目的地である吉野。人の言葉に流される方だ。が、友だちの動きについているといつまで経っても吉野へ到着しそうにない。スマホで吉野までの電車の時刻を調べて友だちに見せるもはっきりしない。ここは強引に、と思って話を進めるとやっと動いてくれた。近鉄新大宮駅から吉野まで乗車するが途中の駅で乗り換える。乗り換えもシルバーカー利用なのでスムーズにはいかない。エレベータを探しながらの乗り換えだ。乗り換えの電車に間に合わない、と思ったら5分遅れで到着した。何とか間に合う。電車内で吉野駅にタクシーの有無を車掌に聞くと常駐してないとか。駅でタクシー会社を聞くとコピーの紙を渡される。電話してタクシーを呼ぶも2,3時間待ちという。あきらめて吉野山までケーブルカーに乗る。ところが乗ろうとするも乗り場まで十数段の階段がある。シルバーカーを手助けしながら階段を上る。これは大変。横にスロープがあれば、と思った。帰りのケーブルカーも階段がある。周りを見渡すと足が悪い人を見かけない。それもそのはずである。ここは吉野山、山である。ただ車いすとベビーカーを1人ずつ見かけた。他に旅行者が引くカートを何人か見かけた。が、大半は当然リュック姿である。

 ケーブルカーを降りると吉野山だ。今年は全国的に桜の開花が早く、あいにく吉野山の桜も散っていた。「また見に来いよ!」と言われている気がしてくる。吉野山に11時半ごろ到着。人の動きに連れられて歩くと金峯山寺に着いた。緩やかな登りの坂道を歩くのだが、ここでもシルバーカーを押して歩くのは大変のようだ。とくに金峯山寺蔵王堂辺りは砂利道でシルバーカーを介助しながらになる。それでも何とかお寺に到着。

 この時季、金峯山寺秘仏御本尊特別御開帳がされている。拝観券(@¥1600)を購入時、券とともにお守りをいただく。また拝観時、靴を脱ぐと靴入れの袋を渡される。この袋は金峯山寺の記念として利用しよう。拝観していると途中で動きが止まる。なぜ?と思って前の人に聞くと秘仏の前に個室が何部屋かあり、そこに入って仏像を眺めるという。それにしても変な眺め方、と思っていた。その部屋に入り仏像を見上げる。そして部屋を出ると何やら書いてある。この小部屋は懺悔室とある。(何を懺悔する?)と後で思ったほどだが何か嫌な気持ちになった。

 午後1時から餅つき大会があり、そのお餅をきな粉餅にして配るという。お餅は杵でつくのではなく棒のようなものを数人が持ってつくという。人も混んできた。餅つきを見ようとすると「ここからは結界です」と女の山伏がいうので雰囲気だけを味わってその場を去る。ケーブルカー乗り場の吉野山駅までの途中にあるお店で葛入りのにゅう麺と柿の葉寿司のセットを食べる。この時刻はすでに2時近い。お店から見る景色は桜が咲いていれば最高の眺めに違いない。

吉野山駅ケーブル乗り場

黒門
 国宝の仁王門はただいま修理中で建物全体にホロが被せてあった。2028年の完成までは大分先だがその費用、なんと約20億円とか。
金峯山寺(蔵王堂)

金峯山寺秘仏御本尊特別御開帳拝券とともにもらったお守り

 先月まで歯科通いの日々だった。観光中、歯の関屋地蔵菩薩が目に入る。眼は一畑薬師などあるが歯の神様はめずらしい。一人急いでお参りする。どこが悪いといっても歯だけは生え変わらないので大事にしたい。
 
歯の関屋地蔵菩薩

すこしだけ桜が残っていた

ここにも少しだけ桜が咲いていた
桜の終わった吉野山

大きな椿の木

吉野山を見渡す
 この日の万歩計は8828歩。3日間の奈良の旅。よく歩いた。またいつか吉野へ行こう。吉野から近鉄特急に乗って大阪阿部野橋駅まで乗車。そこで友だち姉妹と別れて大阪駅経由新大阪からおとなび利用で広島に帰る。友だちは阿部野橋でもう1泊して文楽を見るという。

 今回の旅は友だちがシルバーカー利用にもかかわらず何とか無事旅をした。足を悪くした友だちはさぞかし疲れたに違いない。それでも外に出ようという気になるのは立派だ。いつの日か足もよくなってまたいつもの旅が始まるかもしれない。ともあれ何がどうと言ってもここまで生きてくれば誰も皆、元気が一番。元気であれば愉しみもついてくる。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

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