2025年2月22日土曜日

『90歳現役医師が実践する ほったらかし快老術』

  今朝、新聞を取りに出ると雪が舞っていた。今は雪も止んで日差しが出ている。この寒さはあと2,3日のようだ。

 『90歳現役医師が実践する ほったらかし快老術』(折茂肇 朝日新聞出版 2025年1月第2版)を読んだ。その中で【90歳になってたどりついたのが「たいていのことはほったらかしでいい」という考えだ。人生はあれこれ考えたところで、なるようにしかならない。とくに75歳を過ぎたらもう、細かいことは考えず、自由気ままに生きればいいのだ。】、に共感する。以下に気になる箇所をメモした。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

★そんな私が、少しずつ老いの気持ちを理解し、高齢者のことがわかり始めたのは、還暦を過ぎたころからだったように思う。そこからまた、さらに30年弱の時を経て今の自分がいるのだが、たどり着いた答えとして大きく3つがある。健やかに老いていくためには「病気と仲良くすること」、「食べること(体の維持)」、「役に立つ意識(生きがい)」が大切ということだ。(35p)

★WHOの定義では、「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。(日本WHO協会訳)」とされている。これはつまり、病気やケガ、障害など、身体的に何も問題がないだけでは健康とはいえないということだ。……見方を変えれば、肉体的、精神的、社会的という3つの総合的な要素から健康は定義されるのだ。(39p-40p)

★健康な状態と要介護の状態の、ちょうど中間の段階を「フレイル」という。加齢によって心身が衰え、そのままいくと健康やQOLに障害の生じる可能性がある状態をいう。加齢による自然な身体的、あるいは精神的な機能の低下に病気やストレスなどさまざまな要因が加わることで、どんどん機能の衰えが進んでしまい、要介護や死亡のリスクが高まる。ただし、フレイルには「可逆性」、つまり、元にもどせる可能性がある、という特性もある。早期に気づき、栄養や運動、社会参加などにより予防を心がけることで、フレイルの進行をゆっくりにしたり、健康な状態に戻したりすることが可能だ。(124p)

★フレイルは、早期に気づくことで元に戻せる可能性がある状態をいうが、「老化」そのものは、元に戻すことはできないものをいう。(124p-125p)

★骨を強くし骨折を予防するためにはどうすればいいのか。対策はこの3つだ。

⓵転倒を防ぐ

⓶カルシウムを摂取する

③日光浴をする(137p-138p)

★75歳を超えたら「無病息災」を願うのではなく、発想を転換させて「一病息災」の精神でいくのが賢明だろう。……病気があっても元気に生きる。そのためには、心の持ちようが肝要だ。75歳を境に体が大いに変化するのであれば、心の持ちようも変えるのが道理であろう。大原則として、「おおらかに考える」ことをおすすめしたい。自分の老いを感じるたびに一喜一憂しない。細かいことにこだわりすぎない。くよくよしない。それが大事ではないだろうか。……人間だって動物だ。疲れたら休みたくなるし、睡眠が足りなければ眠くなる。元気なら動きたくなるし、体調や気分によって食べたいものも変わる。理屈にこだわるより、自分の体からの声に耳を傾けて、その時にしたいようにする。食べたいものを食べる。それがいちばんだ。……90歳になってたどりついたのが「たいていのことはほったらかしでいい」という考えだ。人生はあれこれ考えたところで、なるようにしかならない。とくに75歳を過ぎたらもう、細かいことは考えず、自由気ままに生きればいいのだ。(149p-150p)

★75歳を過ぎたら、病気があるかないかよりも、ディスアビリティ(disability、機能障害)の有無が重要だと考える。機能が衰えたとしても、人間らしい生活ができるかできないかが重要なのだ。……ディスアビリティの原因になっている病気があるならば、その病気を治すことも考えるべきだが、その目的は機能が元に戻るか、改善するかであって、病気を治すことが目的になってはならないのだ。(152p)

★「たいていのことはほったらかしでいい」が持論の私だが、高齢者にとって「これは、ほったらかしてはいけなi:い」という症状も、もちろんある。なかでもとくに気をつけたいのが脱水と熱中症だ。(163p)

★……自分がどのようにその人生の終わりを迎えるのか、とうことには興味がないのかもしれない。怖いとか、不安な気持ちもとくにはない。なぜなら、先のことは誰にもわからないからだ。考えたからといって答えが見つかることではないのだ。それなら、くよくよしたり、悩んだりするのは意味のないことだと思う。何事も、なるようにしかならない。(175p-176p)

★フクロウはギリシャ神話に出てくる女神アテネ(ミネルバ)の象徴であり、知恵や技芸、学問などをつかさどるといわれていた。「ミネルバのフクロウは日暮れに飛び立つ」というのは、ドイツの有名な哲学者、ヘーゲルの言葉だ。私はこれを聞いたとき、なんと素晴らしい響きを持った言葉だと、大変な感銘を受けた。たそがれにこそ「知恵が飛び立つ」というのだから。この言葉は、超高齢化社会を迎えた我が国において、すでに高齢者として生きる我々にとって希望を与えてくれる言葉であり、これから高齢期を迎える人々にとっては、その進むべき道を示す言葉となろう。(178p)

★人生100年時代、長生きするのは本当に大変なことだ。でも、良いことも悪いことも、人生で経験してきたことすべては血となり肉、そして骨となっているはずだ。老いた自身を卑下することなく、くよくよせず、我々は堂々と胸を張って老いていけばいい――そう思うのである。(183p)

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