2025年6月6日金曜日

「奈良博」と般若寺、談山神社そして聖林寺の奈良旅その2

 「奈良博」と般若寺、談山神社そして聖林寺の奈良旅その1から続く。

 夕飯を食べに行こうとエレベータを待っていると2人連れに出くわす。係に席を案内されて座り、生ビールで一人乾杯。後ろの席にいた2人連れもビールで乾杯している。2年前にも同じホテルに泊まった。その際は夕食は外で食べた。が、朝食が美味しかったことをおぼえていて、今回は夕食付で泊まった。次々と出てくる料理はどれもおいしく、また器もいい。ビールはチェックアウトの際、知ったことだが食事にアルコール類1品がついていた。

夕食の最初に出て来た
特に美味しかった白身魚とエビのカルビオーネ

夕食のお品書き
 夕食を終えると後ろの席の2人連れに座るように言われる。この2人はエレベータで会ったときから感じがよかった。先方もこちらをそう思ってくれたのかいろいろと話が弾む。年は1歳上と4歳上の人だった。やたらと話をしていると「よいしょ」される。2人のうち1人は富士市在住の曹洞宗のお寺の奥さんだった。そう聞いて、以前、スリランカの旅で知り合った曹洞宗のお坊さんの話をするとさらに興味をもたれる。翌朝の朝食の席は3人が同じ席に、と係に言われる。この人たちのお陰で楽しい旅となった。

 人からあまり褒められることがない人生を送ってきた。また、これまで人に流されて生きてきた、と思っていた。ところが長年美容師をされていた人からは自分が決めた人生を生きている、といわれる。そう聞いてそうかもしれないと思った。さらにはお金の使い方をいい方面に使っているとも言われる。それは旅行などの楽しいことに費やしているからかもしれない。翌朝の朝食は3人が同じ席でいただく。「旅は道連れ世は情け」とあるようにこの方たち以外にも今回の奈良行きはいい人たちと出会った。
 
朝食 これ以外にも料理が出て来た
 朝食時にこれから談山神社に行くと話すとその前に聖林寺の国宝十一面観音菩薩像を見るようにとすすめられる。2か所のお寺を見るのは、ましてやバスの便が少ない場所での2か所は考えてしまう。が、部屋に戻って考えるうち、聖林寺へ行こうと思いつく。先の2人連れは京都の博覧会を見に行くと言われた。ところが聖林寺の菩薩は国宝なので「奈良博」に展示されているかもしれない、とも言われる。

 聖林寺は談山神社の手前のバス停で降りる。桜井駅に着くと談山神社のバスが止まっている。バスで知り合った人(神戸の人)と話すと聖林寺(しょうりんじ)の後、安倍文殊院へ行くいう。談山神社へ行くと話すとその人も終点の談山神社バス停で下車した。帰りの時間は1時間後だ。

 数人が下車したが、なぜか談山神社までの道は深い森の中を歩く。苔むした雨上がりの山道を下ると滑りそうになる。滑らないように歩こうと思い、知り合った人に先に行くように話す。こんな山奥の道を皆、参拝するのだろうかと疑問に思いながらも歩を進める。まるで登山だ。一人では怖くて決して歩けそうにない。が、いつの間にか人よりも遅れて一人ゆっくり歩きだす。
談峯如意輪観音菩薩坐像

 談山神社に着いた。緑の青葉はすべてとも言えるほどもみじだ。緑のもみじもきれいだが秋になるとこれがすべて紅葉すると思うとまた来たくなる。談山神社の談峯如意輪観音菩薩坐像は6月1日から2か月間だけ公開されている。これを見られたのは幸いだった。

 参拝前、入館券を購入も、何ら境内のパンフがない。係に案内図を、というとはがき2枚大の白黒のコピーをくれた。これでは境内の参考にならない。足元の悪い雨降り後の境内を歩くが広い境内なので見落としがあった。それは世界唯一の木造十三重塔。又の機会に訪れよ、という知らせかもしれないと気を鎮める。

 山深い境内に人の姿はほぼない。1時間、観光するうちトイレがあり、さらに「出口200m」の標識が見える。ここでの観光を3時間予定していた。それは次のバスの便が1時間後か3時間後のためである。1時間では無理かと思った。ところがその標識を見てこの後、2時間もこの山奥で一人いるのは酷に思えた。が、バスの時間まで10分しかない。素早くトイレを済ませるとバス乗り場へ行こうとなった。

 が、あの山ぶかい道をまた戻るのか、さらには行けるのかが不安になる。とりあえず、お寺の出口までの200m先を目指す。が、バス停はまだこれよりだいぶ先だ。帰りは来た道とは違って歩きやすい道だ。時間は刻々と迫って来る。もうバスの時間に間に合いそうにない、と思いながらもわけのわからぬ道をひたすら歩く。が、バスは見えない。引き返したり往ったりするうちバスが見えた!嬉しかった!運転手さんはトイレに行ったのかその帰りのようだった。ああ、よかった。間に合った!

 バスに乗ると来たとき知り合った人が前席にいる。その人は聖林寺に行き、参拝後、歩いて安倍文殊院を目差すという。聖林寺までその人と一緒に行った。このお寺の観音堂には国宝の十一面観音菩薩像がある。幸い「奈良博」に出品されてなくて見ることが出来た。しかし、観音堂は新たに作られたらしく重々しいつくりで秘仏はガラス張りのケースに収まっていた。もちろん撮影はご法度。
聖林寺

聖林寺の苔むした像

聖林寺付近の公園(?)の丸太の椅子に座って休む

 それほど境内も広くなくここで2時間いるのはこれまた酷だ。かといって休む場所もない。仕方なく外に出ると茂った木陰に丸太の椅子が2個あった。ここに座って持参のツナサンドをお昼代わりに食べる。といってもまだバスの時間まで1時間以上もある。周りはのどかな田舎道だ。蝶々なども飛んでいる。少し先からは田植えの機械音が聞こえてくる。いろんな鳥の鳴き声もする。しばしこの丸太に腰かけた。

 バスの時間まで残り3,40分になった。が、帰り道に戸惑う。すぐに道が間違っていると気づいて引き返す。バス停に着いたはいいが日よけになる場所も座る場所もない。仕方なくバス停の標識の下のコンクリに座ってバスを待つ。そのうち人がやってきた。その人たちは安倍文殊院から歩いて聖林寺に行き、参拝したという。東京の人たちだった。
  
 今回の奈良行きはアクシデントこそなかったもののバスの便がよくない個所に出かけたのでその点では大変だった。以下は今回の行程。

 1日目 広島駅 8時56分発 みずほ600号→新大阪 10時21分着 10時41分発→久宝寺 11時13分着 11時21分発→JR奈良駅 11時48分着 「奈良博」チケットをコンビニで購入後、お昼を久宝寺駅ホームで知り合った香川の人と奈良駅で食べる→バスに乗車して「奈良博」へ→徒歩で近鉄奈良駅→バスで般若寺 観光後→バスでJR奈良駅→バスでホテル リガーレ春日野

 2日目 ホテル(佐保小学校)前 8時41分発→バスでJR奈良駅 8時56分着 9時8分 発→JR桜井駅 9時36分着→バスでJR桜井南口 9時45分発→バスで談山神社 10時11分着→談山神社観光 バスで11時17分発→7分乗車後 聖林寺着→聖林寺観光  13時32分発→バスでJR桜井駅 13時44分着 目の前のコンビニに気づき、乗り換え時間を利用して結び2個購入。遅いお昼を兼ねる→近鉄桜井駅 14時8分発→近鉄布施駅 14時43分着→近鉄布施駅  ここで乗り換えは4分しかない。ホームにいた若い人に行先を確認すると調べてくれた。大丈夫だ。列車が着くと手を振って見送ってくれた。優しい!14時47分発→近鉄河内永和 14時49分着→徒歩でJR河内永和へ 15時11分発→新大阪 15時33分着 新大阪駅構内で「月化粧」の抹茶入りをお土産に購入 新大阪駅待合室は溢れんばかりの人でごった返す。万博が終わるまでは関西周辺に行かない方がいいかもしれない→JR新大阪 16時44分発→広島駅 のぞみ39号乗車後18時2分着

 今回は出かける前の勉強不足で談山神社の木造十三重塔を見落とした。これは残念だったがまたの機会に行け!との知らせだと思って気にしないようにする。

 旅は道連れ世は情け、一人旅をするようになって来月で丸3年になる。この間、人の親切に触れることが多々あった。これから元気でいるためにも楽しい旅を続けよう!
 
 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

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