2014年9月7日日曜日

堀塗り

柿 色紙 水彩画

今日の最高気温は32度の予報。朝から久しぶりに日差しがまぶしい。とはいってもこの陽気、いつまで続くのやら。怪しいものである。

昨日のこと、日本画教室を出るころには雨が降り出す。家に近づくと近所の人から大雨が降ったと知らされる。

季節の変わり目がなく、ふと今何月と思ったりしそう。もうすぐ秋のお彼岸もやってくる。季節はやはり秋!?

昨日は以前スケッチした柿を水彩で色紙に描く。ヘタ部分に最後に先生の手が少し入る。だが、自分で描いた絵を見て、いつもながら自己満足の世界に浸る。

日本画を習い始めて、というかナニゴトも自分で描いたものややったものは愛しくなるもの。日本画を習うよう誘ってくれた友人は描いた絵は写真に収めた後、額ごとすべてを人にあげると話していた。

こういう発想は今のところない。というか、人にあげるような作品ではない。また、人からもらっても置き場に困る。

作品といっても今はまだ本画にまで至っていない。昨日も15年習っている人の本画を見せてもらう。とても繊細に描かれており、色彩も落ち着いた配色がされている。見ていてもうっとりする。あと15年すればこういう絵が描けるようになる、そう思って習うしかない。

末席に位置するものと1年ほど早くから習っっている人の2人に、先生はいろんな色見本を集めるよう話される。これは例えば雑誌や新聞など何でもいいとか。いろんな色彩を集めて色の見本のファイルを作る。

昨日の先生は2人に向かって「これからは厳しくいこうかね」と気合が入る。ありがたい!

先週習って投稿し忘れたキーワード。メモを見ると「堀塗り」だった。デッサンの線を残して色付けをすることらしい。柿の葉の葉脈の描き方でそれを教わる。

また昨日は先生からこれからのやり方を教えていただく。そろそろ習い始めて1年が来る。日本画は一度で出来上がる作品ではない。何度も重ね塗りしてやっと一つの作品になっていく。

大まかな描き方でなく細かい作業が多い。また、一つ一つ段階を追って教えてくださる。これは絵の素養がないものにとっては本当にありがたい!そういう意味でも日本画は性格的に合っている。

蒸し暑くなってきた。今日も自転車に乗って外へ出よう!

2014年9月6日土曜日

『NHK団塊スタイル 身軽に暮らす45の知恵』

『NHK団塊スタイル 身軽に暮らす45の知恵』(講談社、2014年)を読んだ。この本はNHKのEテレ「NHK団塊スタイル」を元にして出来上がっている。

この中で、風吹ジュンは「旅は大事な元気の源。自分の足で歩き、感じることから、力が生まれる」、「旅は仕事を頑張った自分へのご褒美であり、厳しい環境の地を選ぶのは負荷でもあります。不便な土地を歩き、過酷な状況の中で不自由な旅をすると、日本の豊かさがよくわかります。何事にも感謝するようになります。体力的、精神的に自信がついて、仕事にも意欲的になれるんです。」、「食べること、舌で楽しむことが好きで食を求めて旅に出ることも多いですね。…お金をかけずに旅して、現地の人たちと触れ合うのも旅の醍醐味です。」と述べている。

本当にそう思う。風吹がいうように「旅は仕事を頑張った自分へのご褒美であり、厳しい環境の地を選ぶのは負荷でもあります。…」には全く同感。

働いていた時に出かけた旅と暇人になってからの旅とでは、旅への意気込みが全く異なる。旅は忙しい中に出かけるのが楽しい!仕事の合間に行く旅は福岡、関空、名古屋そして成田まで行く新幹線に乗った時点で、「旅に行く!」という強い気持ちになる。(当時は地元から海外に行く空港がなかった)

そのためか、必然的に人が出かけない辺境の地を好んで旅した。ところが今はそれも薄れている。

今までを振り返っても辺境の地であるチベット、シルクロード、ブータン、パキスタン、旧ソ連、ペルー、九寨溝などの旅で知り合った人とは今でも交流がある。そのほとんどの地では高山病を体験。本当に過酷な旅だった。だが、参加者は皆優しい。おかげで旅も楽しい!

この本を読んでますます外へ目を向けようという気持ちが募る。旅はやっぱりいい!この本に書いてあるように旅は思い出として残ってもモノとしては残らず、身軽に暮らせる。これがいい!

いつまでも旅が続けられるよう元気で過ごそう!

2014年9月5日金曜日

蚊食鳥

今朝の地元紙のコラム欄。代々木公園の蚊、が話題となっている。コラムによると蝙蝠が蚊を捕食するとか。それ故、蝙蝠は蚊食鳥の別名があるという。

最近では蝙蝠もあまり見かけなくなった。というか雨でどこかへ避難している!?

この蝙蝠、西洋では吸血鬼になぞらえて好まれる生き物ではない。ところが中国では蝙蝠の発音は”bian fu”。これは「変福」の発音と近い(蝙bianは一声、変bianは四声の違い)ことから吉兆とされている。

同じ生き物でも国によってそのとらえ方が真反対とは面白い!

さて昨日のこと。小雨の中、思い切って自転車に乗って泳ぎに行く。これは大正解!

受付でおっさんが「次のプールの休みはいつかいのー?」と聞いている。「明日と明後日です」と受付。館内の祭りのための臨時の休みらしい。雨に負けて今日にしていたら泳げずにいた。

プールは市のものでなく隣町が運営している。そのため町の情報は隣の町に住んでいても全く分からない。受付に名刺の倍くらいの印刷したものが置いてある。これが休みの情報らしい。ともあれ、昨日は泳げた。

だが、休み前のためか泳ぐ人が多い。こういう時は背泳ぎでは十分に泳げない。ほとんどをクロールで泳ぐ。

今朝は部屋の窓を開けて空気の入れ替え。やっとお天気になった!自転車に乗って元気に外へ飛び出そう!

2014年9月4日木曜日

『本番に強くなる』

今朝見た人のツイッターではないが、「ほんまによう雨が降る!」。晴れマークの天気予報も外れて、雨ばかり降り続く。からっとしたお天気の日はいつ戻ってくるのだろう。

ごみを出しに外へ出ても、ひっそりと静まり返っている。これじゃ、行楽の秋もどうなるものやら…。朝から元気をなくしていては一日がもったいない。プールへ行く気になっている。だが、やっぱりネックは雨。早く晴れの日が来てほしい!

昨日はお天気。しかし、プールは定休日。思い切って髪のカットに行く。『たまごクラブ』という雑誌があるとか。美容師さんは東京にいる娘さんが来月号の表紙を飾ると嬉しそうに話される。

家でネットで検索すると今月号の表紙の掲載がある。表紙を飾るくらいだからきっと美人。電話でネットで見られると教えてあげる。だが、娘さんは今月中旬の発売号に載るらしい。

白石豊著『本番に強くなる』(筑摩書房、2013年)、サブタイトルは「メンタルコーチが教えるプレッシャー克服法」を読んだ。“本番”といえばフルートの発表会がある。毎年、フルート発表会では思うほどにはフルートが吹けない。いつか満足して吹けるようにと思うばかり。

この気持ちをせめて少なくするためにも、と思って読んだこの本。こういうことは本で理解するものではない。気休めで読む。この本に書いてある姿勢、呼吸に関してはフルートを習い始めたころから先生にいつも教わっている。

フルートは吹いている自分の身体が楽器のようなもの。だからだろうか、先生はいつもその2つを重点的にアドバイスされる。

またいつものように気になるところをメモしよう!

※8つのメンタルスキルとして意欲、自信、感情コントロール能力、イメージ想起能力(視覚化)、集中力、リラクゼーション、コミュニケーションスキル、セルフコミュニケーションスキル39-41p

※(NHKの「プロに学べ、脳活用スペシャル」で茂木健一郎が厳選した3つの秘訣から)一つ目は「アイデア発想法」、二つ目は「プレッシャーの克服法」、そして三つ目はモティベーション」だった。…「アイデア発想法」についてのプロたちの共通項目は、なんと“寝る”ことだった。二つ目の「プレッシャーの克服法」は“苦しいときにもあえて笑う”。…三つ目の「モティベーション=やる気」については“目標を達成し、達成感やお金などの報酬を得ようとする欲求のことだ”と定義した。…目標はあるが報酬がないのでやるきが続かないという問題については、“小さな成功体験を大切にする”という方法を提案している。52-55p

※プレッシャーによって「わあ、どうしよう」→「おう、来たか」と言う。58p

※「みんな、いっしょや」と言ってみる。64p

※感情をコントロールする有効な三つのツールは体(姿勢、表情)、呼吸、言葉である。78p

※やはり笑顔は、感情コントロールの最強ツールである。88p

※高ぶった感情を鎮めるための呼吸法を行う。呼吸はすべて鼻で行い、吸う息と吐く息の割合を一:二にコントロールする。91p

※自信は「良い結果が出てから、後で持つもの」ではなくて、「良い結果をだすために、あらかじめ持って事にのぞむもの」…バッシャムの考えから。129p

※「大丈夫、やれそうだ」と考えられる心の奥底に存在しているものが、セルフイメージ=自己像である。…その大きさこそが自信の大きさと比例する。131p

2014年9月3日水曜日

♪赤い花白い花♪

歌を口ずさみながらこちらに人がやってくる。どこかで聞いたような曲。思わず知らない人なのに「何の曲?」と尋ねる。曲の名は♪赤い花白い花♪だった。 その人は近いうち、ライアーを習っている人と敬老会でその歌を歌うという。楽譜を見せてもらうと初見でフルートが吹けそう。楽譜通りにフルートを吹き、歌を歌う。だが、フルートでは音が低すぎる。1オクターブあげると歌とうまくハモる。

場所は文化センターのロビー。歌にあわせてフルートを吹いているとライアーの人たちがやってくる。その人たちとフルートの音楽談義がはじまる。

こういう時、音楽はいい!この人たちに「なぜライアーを習っている?」と聞くと2人からは介護の気休め、との言葉。あまりにもいい人たちなのでその合間にも歌とフルートで盛り上がる。互いの先生が到着されるまでの束の間のひととき、楽しく過ごす。

レッスン前、先生からさくらんぼと実の付いた柿の小枝入りの発表会のプログラムを見せてもらう。自分で描いた絵がプログラムに載るのはうれしい!

日本画の案内状の配布をフルートの先生にお願いする。次のレッスンの人にもその話になる。次の人とは親しく話したことがない。ところがなんと人は見かけによらぬ(失礼?)話しやすい人だった。その人の娘さんは東京の美大を出られ、絵には関心があると話される。「どこの美大?」と尋ねるとクロアチアで知り合った理彩さんと同じ大学だった。

先日亡くなられた人のお父様も絵の先生だった、とフルートの先生から聞く。次の人のレッスンなのにお邪魔して話に加わる。すると、今日は亡くなった人を「偲ぶ日」といってエピソードを話される。

その人がフルートを習い始めたあるフルート発表会での話。「あなたはフルートはそれほどでもないけど、なんといっても出演者の中で一番衣装がいいわね!」。その言い方を笑みを混ぜて真似される。その話し方は亡くなった人に似ている。思わず笑いが起きる。

真似して話した人は「一番!」の言葉がうれしかったらしい。

不孝の日、フルート仲間で参列した。その際のことも話される。祭壇の笑顔の写真に向かってお花を手向ける。その時、思わず握手をしようとしたと言われる。それほど、笑顔が素晴らしい人で不幸の真っただ中にいることが信じられないといった話だった。

さてレッスン。曲の出だしの低いレの音が低すぎる。フルートの頭部管と胴部管を抜きすぎていると先生。すぐに短くするといい音になる。他にも鼻で息を吸う練習をしていると話す。すると、マウスピースに切手を張るように教わる。そうすると唾も出にくくなる。息は口で吸う癖がついて鼻では多く吸えない。これも練習するのみ!

昨日はお正月明けのベトナム行の申込用紙が届く。中を見ると血液型の記入欄がある。これは珍しい。来年早々も楽しみが待っている!

今日も元気で楽しく過ごそう!

2014年9月2日火曜日

ハネト

ハネト激減 今夏の青森ねぶた99年以降最少
Web東奥 8月31日(日)10時43分配信
 今年の青森ねぶた祭に参加したハネトは4万8千人で、記録が残る1999年以降で初めて5万人を切ったことが、青森ねぶた祭実行委員会の調べで分かった。昨年より3割減、近年最高だった2005年の半分という減少幅について、実行委は「祭り期間後半の雨の影響」「カウント方法を厳格にしたため」と要因を説明する。

これは一昨日のYahooによる報告。ハネトはねぶたについて跳ねたり踊ったりする人。見る側も雨の中では大変。ましてや、ハネトは足袋を履いて飛び跳ねて行進する。これはもっと大変なこと。せっかくのハレの日。着飾った法被も髪飾りも雨にぬれ、参加人員が少なくなるのもうなづける。

それにしてもねぶたは一見の価値がある。なんといっても今回の青森行きは百聞は一見に如かずといわれるように出かけてみて初めて東北を知ったし、その良さもわかった。

昨日は青森行きを誘ってくださった代表ご夫妻ほか参加した3人の計5人でお昼をいただく。場所はパセーラ。青森行きでお世話になったにもかかわらず、何も接待できなかったといってお昼をごちそうしてくださる。ありがたいと同時に申し訳ない気持ちでいっぱい。

広島へ帰る日、外れて一人で帰っ人は欠席。一緒に参加した人のうち、北海道でワイン農場を経営している友人を持つ人がいる。その人が代表に宅配したワインが手違いで青森のご自宅に届かず、広島へ届く。そのワインもいただいて帰る。ありがたい!

もう1人参加者は食事後、絵の教室があるらしく大きな絵3点と写真を持参。この絵と写真で青森の話に花が咲く。10月には冬支度のため、また青森に帰郷されるという。
秋の奥入瀬も見てみたい。いつの日かまた連れて行ってもらおう。

盛岡で見た岩手県立美術館の話をすると、まだ行かれたことがないようだった。幸い、キリコ展のパンフなど持って帰った。見せてあげよう。

そういえば他にも旦那さんからヒノキ油をいただく。青森ではヒバ油をいただいた。ヒノキは檜風呂やヒノキの家など木材としては最高品。どちらの油もお皿につまようじで一滴たらすと殺菌効果やアロマの働きがあるとか。これもありがたくいただく。

今朝の新聞を見ると東北の紅葉の旅がある。1週間の我々の旅は本当にハードな旅だった。昨日も代表は申し訳なさそうにそう話される。申し訳ないのはついていった私たちの方。誰が朝早くから夜遅くまで運転して観光させてくれるだろう。まして宿も提供してくださった。本当に感謝、感謝!

代表ご夫妻の広島のおうちには知り合いから今回の土砂災害の見舞い品が届いていると笑って話される。全く被害はなかったから笑って済ませるお話。

来週からは合唱の練習も始まる予定。だが、災害の被害状況では練習会場も定かでないとか。

ともあれ、平穏な日が戻るように願って今日の行動開始!頑張ろう!

2014年9月1日月曜日

『日本人に生まれて、まあよかった』

 毎日見ている人の昨日のブログ。「一週間で5千人を超える搬送者数を記録した熱中症者数や80人近い死者を出した広島のゲリラ豪雨。天気のことばかりが話題になった夏もようやく終息に向かい、明日からは9月だ」。同じ日本に住んでいても地域によってお天気の違いは大きい。広島はこれから晴れの日が続くと思ったら昨日1日だけで今日は雨になりそうだ。

 平川祐弘『日本人に生まれて、まあよかった』(新潮社、2014年)を読んだ。昨年台湾へ行った。その時一番感じたことは同じ植民地政策を日本がとっても、何故、台湾は親日で韓国は嫌日なのかということだった。この答えはわからずじまい。ところがこの本を読んでこの問題は解決した。濃い線がその個所である。

 本のタイトル通り、日本人に生まれてよかった、と思っている。特に短いながらも海外に出かけて日本を見ると、それを感じる。ところが、外国で暮らして帰国した人の中に、あたかも自分は他の日本人よりも優越感を持とうとするのか日本や日本人を悪く言う人がいる。こういう人に是非とも読んでもらいたい。日本の何がいいといって一番は言論などの自由があること。政治的なことは言いたくないが、やはり自由はいい!何もかもトップの鶴の一声で決まる国だけは住みたくない!

 以下はまたいつものように気になる個所を抜粋したもの。

 本の裏表紙には「日本人に生まれて、まあよかった—夏目漱石の言葉は、昭和を生き抜いた著者の実感でもある。ところがいつの間にか、日本人は自信を失い、日本は「もてない」国になってしまった。戦後の言論界はどこが間違っていたのか?この国を守り、再生させるための秘策とは?教育、外交、歴史認識、国防…あらゆる分野で求められるのが、自己卑下的な思考からの脱却である。碩学の比較文化史家による、本音の日本論!」とある。

※私は八十二歳の今日に至るまで、東アジア諸国の中で日本のように言論の自由がみとめられている国に生を享けたことは、例外的な幸福であると感じています。…私は類まれな幸福を誇りに思い、言論の自由、表現の自由を尊ぶものとして、その事実を率直に公言することを憚りません。…二〇一四年の日本は、普通の人にとっても本質的に良い社会です。このことは来日する外国人の多くが認めますが、海外生活や海外旅行を体験した日本人もひとしく認めるところかと思います。31-32p

※大新聞が作り出すイメージはおそろしい。東大法学部を出たくらいの秀才は『朝日新聞』の社説こそが正解だと決めてかかっています。今の日本ではその程度の人でも外務大臣や有力政党の幹事長になれるのです。私は長年そういう受験秀才を教えてきたので不安でたまりません。34p

 著者は自己卑下が美徳と化した日本の再生の処方箋を書く。35p

※自分の信ずる者だけが何でも尊いとする、他を顧みない偏狭な心を揶揄する「我が仏尊し」という言葉があります。それなのになぜ「吾がキリスト尊し」という言い方が許されないのでしょうか。これは考えてみると、キリスト教にかぎらず、一神教の熱心な信者については、同じであるらしい。43p

※中華人民共和国や大韓民国では表立って親日的な発言をすれば後難を恐れなければならない。いいかえると憲法に言論の自由は書かれているが、両国には実際問題として日本の悪口を言う言論の自由しかない。そんな近隣諸国であってみれば、その善意に期待しても日本の平和と安全を維持できるわけではなさそうです。61p

※菅直人という人も仙谷由人という人も鈍才だから妙な政治判断を下したのかというと、そうではない。彼らは戦後日本の教育情報空間の中で育った優等生で、いってみれば大新聞の論説通りに行動した。彼らは左翼系大新聞の模範解答通りの答えを述べた。彼らは元旦から朝日を拝まずに朝日新聞を拝んでいた。だからこそ失敗が続いたというのが私の見立てです。87p

※二十世紀の三大独裁者ヒトラー、スターリン、毛沢東でしょうが、その肖像をいまでも飾っている点はドイツ、ロシアと違う中国が、中国たる所以で、やはり、「特色ある社会主義」の国だと思います。103-104p

※日本人には他人が見ていようがいまいが、恥ずべき事をしてはお天道様やご先祖様にすまぬ、という感覚があります。そのような畏敬の念を感じて身を処する人は、近代的に言いかえれば、良心に従って行動しているのです。世間の義理を欠くことを惧れて、外的強制力の下に行動するだけではないでしょう。武士も「俯仰不愧天地」(ふひょうてんちにはじず)などと孟子の言葉を口にしました。……曲がったことはしたくない、という日本人の美学は清らかさを尊ぶ神道の倫理観と表裏一体の関係にあるのです。134p

※(圓山大飯店は)国民党統治時代は宋美齢が所有者でした。それが一度火事にあって燃え上がった。すると台北の市民が街頭に出てそれを見上げて喝采して喜んだ。台湾では宋美齢はそれほど人気がなかったということです。蒋介石の後妻であった宋美齢は、長男の蒋経国とはうまくいかず晩年はアメリカで暮らしました。150p

※戦前の日本警察に取って代わった国民党支配を、台湾人は「犬去って豚来る」といいました。国民党は台湾支配の最初の五百日間に、五十年間の日本統治よりも多いたい1万人を処刑しました。167p

※第二次大戦まで西洋では植民地化はキリスト教化・文明開化とほぼ同義と見られていました。日本も台湾植民地化を文明開化の事業として構想しました。ただし宗教を広めて死後の命を救う代わりに、衛生を広めて人の命を救おうとしたところが台湾総督府民政局長であった後藤新平の偉大さです。その植民地経営はいまも台湾人に高く評価されています。…清らかさを尊ぶ神道の心が衛生を尊ぶ思想の背後にあるからだと私は考えます。169p

※西洋の植民地支配は肯定するが、日本のそれは非難する者がいます。偏した見方ではないでしょうか。……問題は日本が台湾統治に成功したことです。実はその成功が朝鮮における失敗につながりました。化外の地であった台湾と違って、朝鮮は一つの文明の国です。その朝鮮全体をまるごと奪うことは朝鮮民族の誇りをも奪うことになったからです。歴史の真実はそんな二つの場合の相違を見分ける眼識にあるのではないでしょうか。170p

※いわれのない非難にたいしては外国語でも上手に反論できる、西洋一辺倒や中国一辺倒でない日本人エリートを養成したく思います。……日本を知り、外国を知り、外国人に対して位負けせず自己主張のできる人を育て、日本語の正論を外国語にも訳し、諸外国の人をも納得させるようにしてもらいたいと思います。178p

※日本に必要なのは国内国外双方の人たちといろいろ議論して自分の位置を三点測量した上で、物事をきちんと見定めることのできる人だと思います。……近現代の歴史解釈についても修正すべきところはきちんと理由を明示して修正しなければならない。西洋本位がすべてではない以上、その価値基準に盲目的に従ってはならないのです。202-203p

※鈍行列車に乗った人が途中でその新幹線に乗り換える、あるいはその逆に新幹線から各駅停車のローカル線に乗り換える可能性は確保しなければなりません。なぜ乗り換えが必要か。……人生行路の半ばのステーションで急行のキャリアに乗った人も普通に乗った人も一旦車を降りる。そしてその駅で試験を受け直して、その結果で乗り換えできるようにする。そんな工夫があっていいかと思います。211p

※人生の通過儀礼でもある入試に口述試験があれば、若者はおのずと自己表現の訓練をするようになる。227p

※日本人はなぜ海外でおどおどするか。それは外国語が下手だからだけではないのです。日本人である自分の歴史や文化に自信がもてないからです。231p

※今日の日本人はグローバル化する地球社会の一員として、一面では英語をはじめとする外国語の力を身につけねばなりません。しかし他面では日本人としての教養を身につけないと、国際社会で日本人として自信をもって振る舞うことはできません。231-232p