『古寺巡礼』を読んでいる。聖林寺のYOU TUBEで十一面観音菩薩立像がこの本に書いてあると知って読み始めた。著者である和辻哲郎が古寺巡礼で見た仏像はいまの時代、自由に見ることができそうにない。今は大半の社寺の仏像は秘仏とされて一般公開されておらず、また公開されても期日が制限されている。さらには寺社の宝物館に収められ、そこに入るにも拝観料が特別にいる。ましてや特別拝観料を払っても大概の仏像は写真撮影ができない。
和辻の巡礼時代、聖林寺の十一面観音立像は『古寺巡礼』を読むと写真に収めてある。先日、聖林寺に出かけた際はこの像だけのために一部屋が設けられ、その中にガラス張りのケースに入った像が鎮座している。観光客はガラス越しに仏像を拝む。もちろん写真撮影はご法度で拝観料も必要だ。
この本を読んでいて本に書かれてい寺社を訪ねようと思った。和辻の時代は今ほど交通の便がよくなく、ほとんど歩いて回ったようだ。司馬遼太郎の本に刺激され、この度はまた和辻の本にも刺激を受ける。これじゃ、まだまだ元気でいないと2人がたどった道を歩けそうにない。
ふと気になった。和辻が古寺巡礼で歩いた時代はいつなのかと。大正8年(1919年)にこの本が出版されているのでそれより前のことだろう。両親は大正5年の生まれなのでその頃に近いかもしれない。そう思うと100年以上も前の話になる。が、読んでいて全く古さを感じさせない。その頃は東大寺の戒壇院やその中の四天王も埃だらけと書いてある。戒壇院に出かけてないのでその辺はわからないが、今は埃をかぶってはいないに違いない。
まだまだ読み始めだが、読みながらメモを取っているとなかなか進まない。それくらいこの本に惹かれてしまった。読み甲斐がある本だ。
ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!