2025年7月17日木曜日

『古寺巡礼』から

 『古寺巡礼』を読んでいる。聖林寺のYOU TUBEで十一面観音菩薩立像がこの本に書いてあると知って読み始めた。著者である和辻哲郎が古寺巡礼で見た仏像はいまの時代、自由に見ることができそうにない。今は大半の社寺の仏像は秘仏とされて一般公開されておらず、また公開されても期日が制限されている。さらには寺社の宝物館に収められ、そこに入るにも拝観料が特別にいる。ましてや特別拝観料を払っても大概の仏像は写真撮影ができない。

 和辻の巡礼時代、聖林寺の十一面観音立像は『古寺巡礼』を読むと写真に収めてある。先日、聖林寺に出かけた際はこの像だけのために一部屋が設けられ、その中にガラス張りのケースに入った像が鎮座している。観光客はガラス越しに仏像を拝む。もちろん写真撮影はご法度で拝観料も必要だ。

 この本を読んでいて本に書かれてい寺社を訪ねようと思った。和辻の時代は今ほど交通の便がよくなく、ほとんど歩いて回ったようだ。司馬遼太郎の本に刺激され、この度はまた和辻の本にも刺激を受ける。これじゃ、まだまだ元気でいないと2人がたどった道を歩けそうにない。

 ふと気になった。和辻が古寺巡礼で歩いた時代はいつなのかと。大正8年(1919年)にこの本が出版されているのでそれより前のことだろう。両親は大正5年の生まれなのでその頃に近いかもしれない。そう思うと100年以上も前の話になる。が、読んでいて全く古さを感じさせない。その頃は東大寺の戒壇院やその中の四天王も埃だらけと書いてある。戒壇院に出かけてないのでその辺はわからないが、今は埃をかぶってはいないに違いない。

 まだまだ読み始めだが、読みながらメモを取っているとなかなか進まない。それくらいこの本に惹かれてしまった。読み甲斐がある本だ。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

2025年7月16日水曜日

白い花の桔梗

 毎日桔梗の咲き具合を見ている。今朝見ると白い桔梗が咲いている。以前、黒い小さなポットに入った桔梗を買った。それにはピンクと紫、そして白の桔梗が植えてあったのだろう。いずれにしても桔梗は多年草なので花が終わっても肥料を与えて大事に育てよう。

白い花の桔梗が咲いた
 台風の影響なのか風が強く吹く。昨日午後はプールで500m泳ぐ。受付の人と先日のカフェとエアコンのエコナビの報告をする。カフェはまだ出かけていないが自宅最寄り駅近くにもカフェができている。その本店はプールの目の前にあるとその人が教えてくれた。エアコンのエコナビは教えてもらって本当によかった。夜はエコナビ運転にして寝るとAI快適だけよりも体に直接風があたらない。これがいい。

 我が家はリフォーム後、エアコンやIHヒーターなどを利用するたびに声(?)を出して知らせてくれる。ところが先日取り付けたエアコンはその機能がない。それに慣れるまで変に違和感がある。

 一日に一度は外出するようにしている。今朝はブログ投稿前にスーパーと図書館に出かけた。これで外出のノルマを達成!?

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

2025年7月15日火曜日

「がんばるぞ~」

  先ほどドコモからメールが入る。広島県民限定の知らせだ。昨日、電気店で一部屋残していたLED照明器を取り付けてもらった。設置後、県から5千円分の補助が出る旨の話があった。昨年は1万円の補助金が県からクオカードで送られてきた。ドコモのメールは電気店でdカードを使っての利用で補助金を受け取れるとの知らせだ。

 話は変わってこの頃いつも見ている桂文枝のブログ。今朝はみそ汁を作った話や明日の誕生日に開催する独演会を前にして「がんばるぞ~」とのタイトルで投稿している。もう何日も前からその稽古が気になるらしい。「がんばるぞ~」、を見てこちらまで頑張ろうと思う。

 暴走族の爆音が真夜中まで続いて起床時間が遅くなった。昨日の設置工事もあって少々けだるさを感じる。が、「がんばるぞ~」、の言葉に刺激されてお昼から泳ぎに行く気になる。そして台風の影響なのか気持ちだけ涼しく感じる。「がんばるぞ~」。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

2025年7月14日月曜日

エアコンと照明器の設置

 台所のエアコンと和室のLED照明器の設置はお昼過ぎに終わった。これで昨年末からの家のリフォーム関係はほぼ終わる。残るはエコキュート設置だが半世紀以上も電気温水器をつかっているので慌てて変えることもない。どういっても平常、独りで静かに暮らしているので人が出入りするのは草臥れる。年末の1か月余りの工事は今朝とは比べられないがもう工事はどうでもいい。それくらい一人気ままに過ごしている。

 元々、台所にエアコンはなかった。それでも不自由することなく生活できた。先ほどから早速エアコンを試す。幸い今日は台風の影響なのかいつもと違って最高気温も29度と高くない。いつもならば和室に設置のエアコンを全部屋開放してつけていた。ところが台所にエアコンをつけたはいいが1部屋を閉め切って使用するので窮屈さが半端ない。これも徐々に慣れて来る!?

 ネットにスマホ依存をなくすには、みたいな記事がある。暇があるとスマホを触っていることがある。これではいけないと思ってその記事を読むとスマホの画面から要らぬアプリを削除すればいいとある。chrome関係のアプリを画面上に追加していた。工事の間、外にも出られないのでスマホの画面から要らないアプリを削除する。こうすれば記事にあるようにスマホ依存から離れられるかもしれない。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

2025年7月13日日曜日

卵の話は続く

 この夏の暑さで卵の話は今朝も続く。先ほど桂文枝のブログを見ると「……この暑さで4,5日家を空けてたら キッチンに置いていた 卵が たくさんひなに返っていたり どないなってねんやろ この暑さ」とある。さらに次のブログには「たまご」と題して皿の上に卵を一つ置いた写真と共に「こわいですよね 突前殻を破って 出てきたら たまごの殻は みな くさびのようになっていて 縦にもって 力を入れても割れませんが 内側から ヒヨコが くちばしでチョンと つくと 割れるようになっているらしいです すごいですね 自然の 造形は」と書いている。

 桂文枝は以前の桂三枝。さすがにプロの噺家だけあってブログを見ていても笑いが出てくる。最近82歳になったそうだ。

 昨日の日本画教室。手首を骨折した人は手指は動くらしく運転して教室に来ていた。今のところ自分自身はどこも痛くないが身近な人が骨折した、と聞くと怖くなる。気をつけよう!絵は相変わらず室生寺を描いている。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

2025年7月12日土曜日

薄紫色の桔梗が涼を呼ぶ

冬からずっと咲き続ける根性ナデシコ
薄紫色の桔梗が涼を呼ぶ
 今朝の地元紙にモンゴル国の旅の募集がある。広島空港からのチャーター便利用で旅費はなんと20万円をきっている。1人参加は別途、35000円要るがそれでも安い。ましてや空港出発時刻も正午過ぎでゆっくり家を出られる。一瞬、参加しよう、と思った。が、中国領の内モンゴルに行った時を思い出すうち、いろんな問題を感じだす。結果、行くのは無理かも、となる。内モンゴルに出かけたのは30年くらい前だ。その当時と今とを比べると歳をとっている。無理は禁物!?

 今週いっぱい、天皇皇后夫妻はモンゴルに滞在中だ。YOU TUBEを見ると日テレはリアルタイムで2人の滞在を流している。レセプションで天皇とモンゴル国の人が弾くビオラ演奏を見るといい国に思えて仕方がない。さらにはナーダムを見ると天皇皇后夫妻は楽しく見ておられる。ナーダムは現地で見てみたい。ただ内モンゴルでの食事を思いだすと残念ながらすぐに行こうとはならない。というか行きたくない理由を見つけているのかもしれない。

 何やかや言ってもやっぱり暑い!暑さが終わるまでどこへも行かれそうにない。これじゃダメじゃ、と思う。その間しっかり年はとっていく。今朝写した薄紫色の桔梗が涼を呼ぶ!?その横では根性ナデシコが冬から咲き続ける。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

2025年7月11日金曜日

シルクロードの写真

 昨日のネットニュースに刺激されて敦煌の鳴沙山での卵の話を思いだす。午後からプールへとの思いも37度の暑さでは泳ぎそびれる。家にいるのならばと袋に入れた旅の写真を取り出すと初めに手にしたのはシルクロードの旅だった。敦煌の鳴沙山は広大な砂地が続いている。そのそばに小さな泉の月牙泉(げつがせん)がある。38年前の月牙泉は柵がなかった。が、今は柵があるようだ。
鳴沙山 一緒に出かけた友と(左の2人)
鳴沙山をはだしで登る2人(右上)
鳴沙山 暑い砂の上をはだしで登る(オレンジの服)
左は友だち 途中で添乗員から中断の合図が……
鳴沙山 ラクダに乗って(オレンジの服)
 午後から本を読むのを中断して写真を見ていると懐かしさがこみ上げる。いくらか捨てようとした写真のはずがシルクロードの写真はどれも捨てがたい。40数回ほど海外に出かけたがシルクロードの旅はどの写真を見ても楽しく映っている。旅の間、毎日がまるで宴会のようだった。一緒に出かけた友以外は初めて会った人たち。それなのにまるで昔から知っているかのような人たちだった。旅行後も国内で会っている。確か14名のツアーだったと思うがその大半はもうこの世で会えなくなった。九州阿蘇、下関、新居浜、そして広島でと何度か会っている。皆、本当に優しかった。

 写真を見て自分の辿ってきた道を顧みる。36歳で中国語を学び始めた。それから4年後、初めて中国に出かける。それ以来、中国にハマり、また外国旅行にハマった。それから倍以上も生きてきた。50代半ばで仕事を辞めて以降、9年間は学業と介護で海外旅行を余儀なくされる。しかし、母亡き後、コロナ禍まで海外に出かけた。シルクロードの写真を見て海外へ、との気持ちが昂る。しかし、今の世界情勢や自分自身の年齢を思うと以前ほどの勇気がない。それでも国内の旅に一人で出かける勇気は以前よりも増している。

 人生前半の35歳くらいまでは自分で思ったような人生ではなかった。ところが中国語を習い始めてそれまで出会わなかったいろんな職種の人たちと出会った。これは自分の中では大きな収穫で「世の中」を見たような気持がした。通り一遍の人たちではなくいろんな人たちがいた。中国語がきっかけで外へ外へと気持ちが向いて行き、考え方も変わっていった。これは自分にとっては本当に大きな賜りもので生き方も大いに変化した。くよくよジメジメした自分は何処へ行った!?

 そんな矢先、某学会から納涼祭の案内が届く。この人たちとも10回くらい海外に出かけている。納涼祭、楽しみだ。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

2025年7月10日木曜日

運搬中の卵?

 パソコンでネットニュースを見るとなんと中国の山東省ではトラックで運搬中の卵が孵化してひよこになっている。さらに延滞市ではコンビニに大量の学生が押し寄せ涼を取っている。大学の学生寮にはエアコンがついてないらしい。気温42.7度の暑さでエアコンがないとは……。

 卵で思いだす。今から38年くらい前にシルクロードに出かけた。お盆を利用してのツアーだった。敦煌の鳴沙山にはだしで上る、と添乗員は皆に告げた。鳴沙山は砂山で靴を履かずに登っていたがとても暑くて登れない。その時、添乗員は登らなくていい、という。翌日にラクダに乗って移動するからと。後で皆で鳴沙山に卵を置いておくと孵化ではなくゆで卵ができる、と笑いあった。今でもその時の光景を鮮明に覚えている。

 こういうことを思いだすと遠くに行きたくなる。海外へは父なき後はお盆とGWに出かけた。仕事を辞めてからこれまでその前半は学生と親の介護で忙しく過ごした。が、後半は海外旅行によく出かけた。しかしコロナ禍以降は海外に出かけていない。仕事を辞めてからすでに23年になる。しっかり年だけは取った。そしてありがたいことに遊んで暮らしている。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

 追記:楽しかったシルクロードの旅を思い出すたびに、再度写真の整理をと思う。アルバムから写真を外してばらしている。が、その写真の何百枚かは捨てたがまだ大量に残っている。今朝の旅を思いだしたついでに写真整理を、と思った。これからの整理は自分が手元に置きたい写真だけを残そう。それにしても暑い!こう暑くては8月いっぱいまで水泳の夏休暇!?

2025年7月9日水曜日

『古寺巡礼』購入

 数日前、セブンネットに和辻哲郎の『古寺巡礼』を注文した。先ほどセブンイレブンへ本を受け取りに行く。家に戻って梱包された本を開ける。年中、本は図書館に頼り、自分で買うのは年に数冊もない。今朝は久々に新たな本を入手して気持ちが昂る。その前にブログを、と思ってパソコンを起動するとキーボードのキーのキャップが1か所外れている。これまで数台、パソコンを買いかえたがこういうことはなかった。暑さでキャップが外れた!?外れたキャップを探すと机の下にあった。それは「変換」のキャップ。本体とキャップは接着剤で取り付けてある。家の両面テープを応急措置として取り付けた。

 今日も暑く最高気温は36度になるとか。一昨日、近くの電気店からスイカをもらった。1日、冷蔵庫で冷やして昨日食べようとした。その時、いとこがスイカ好きを思いだして半分、持って行くと喜んでくれる。

 さて本。本の奥付を見ると岩波文庫の『古寺巡礼』は1979年に第1刷されている。それが何と昨年の2024年には第71刷発行とある。如何にこの本が長く売れているかを物語っている。ふと思った。古い音楽はクラシックというが『古寺巡礼』のようなロングセラーの本はどういうのだろう、と。近代文学!?

 新しい本を手にすると嬉しくなる。これはなぜ!?これまで何百冊いやそれ以上の本を処分した。処分する前に何の本かを記録すればよかったがせずに捨てた。今ある本だけでも記録にとどめて置けばと思うがさてさて。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

 追記:本に掲載の聖林寺の十一面観音菩薩立像の左手は何も持っていない。ところが先日、聖林寺で見ると左手に花瓶を持っていた。和辻の話ではこの観音菩薩は聖林寺の以前の住職に拾われるまで路傍にころがっていたとか。紆余曲折を経て花瓶を後から持たせた!?

『古寺巡礼』聖林寺十一面観音菩薩(65p)
この本では左手に何も持っていない
和辻哲郎『古寺巡礼』表紙

2025年7月8日火曜日

時代の流れ!?

 近くに住むいとこが先日、救急車で搬送された。連日、そのことが気になっていたが3,4日後に部屋の明かりがともっているので大丈夫?と思った。昨日、いとこ宅を訪ねると目が回ってどうにもならなくなり救急車を呼んだという。脳外科に回されたそうだが、耳鼻科の検診も受けたようだ。難聴が原因とか。

 いとこが搬送された日は朝から暑かった。これは熱中症で搬送されたと思った。その日から我が家は一日中、エアコンを稼働している。この暑さで気分が悪く成れば命取りになりかねない。昨年の長谷寺のあの暑さがよほどこたえた!?気を付けている。

 少しだけいとこ宅で話をする。年齢はいとこが1歳上だが、何歳であっても何かコト、があれば年齢は関係ない!

 ついでに町内会のお宮の寄付をもらって帰る。その足でさらに隣の家に寄付をもらいに行くと同級生が出て来た。近くに住んでいても年に1度も出会わない。ましてや話をすることは全くない。立ち話になり中学時代の同級生の訃報を聞く。すでにかなりの人とこの世で会えなくなっている。自分自身は元気と思っている。しかし、年齢を思えばいくら元気でもいつどうなるかはわからない。

 この人から近くにカフェが3軒できたと教えてもらう。何もない住宅地だが3軒もカフェができたと知って驚く。自宅JR最寄り駅周辺はマンションなどが建築中だ。元からの住民は徐々に消えてゆき、そして新たな人が増えてくる。これも時代の趨勢!?

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

2025年7月7日月曜日

無料の写真アプリ!?

 最近は数人のブログやツイッター、そしてインスタなどを見ている。その中に桂文枝のブログがある。最近、無料で写真がいろんなバージョンになるのを弟子などに教えてはブログにアップしている。今朝のブログでは写真をアランドロン風にして「笑うなあ」との投稿がある。それを見てこちらまで笑ってしまう。それにしてもいろんなアプリがあるものだ。

 何歳か年上の人がこうやって面白おかしく遊んで生きている。この人は時代について行っている。偉い!暑い毎日だがこうやって楽しみを見つけて過ごすのも賢い生き方!?

 それにしても暑い!エアコンはフル回転中だ。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう

2025年7月6日日曜日

桔梗の花弁

 昨日の日本画教室で我が家の桔梗の写真を見せると先生から4枚の花弁と5枚の花弁があると指摘される。その時は何気なく聞いていた。今朝、桔梗を見ると確かに薄いピンクも紫色もともに4枚と5枚の花弁がある。(これはなぜ?)とスマホに問うと「なぜ5枚以外の個体をもつ花弁が出現するかは、ハッキリと解明されていません」とある。これはめずらしいことではないようだ。

 1人欠席者がある。少ない教室なのに欠席者が出るとさらに少なくなる。なぜ?と思ったら何かにつまずいて手首を骨折したとか。母親は骨折がもとで長く患った。年老いての骨折は致命傷になりかねない。他人ごととは思わず気をつけよう!とはいっても骨折しようと思って骨折した人はいないはず。どうやって気をつければいい!?

 教室では相変わらず森の鎮守に鎮座する室生寺の五重塔を描いている。教室までの行来は暑すぎて大変だがこれも運動と思って出かけよう!

 ともあれ今日も元気を出して楽しく過ごしましょう!

4枚と5枚が混ざって咲いている桔梗の花弁

2025年7月5日土曜日

『胡桃に酒』

 最低気温28度、最高気温35度と今日も暑い一日になりそうだ。というかすでに朝から暑い。以下は『胡桃に酒』(『戦国の女たち』(司馬遼太郎・傑作短編選に収録)(司馬遼太郎 PHP文庫、2006年第1刷)から気になる箇所をメモした。細川ガラシャの話である。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

★「そなたは蛇か。――」たまは.わずかに目をあげた。「鬼の女房に蛇がにあいでございましょう」といった。それだけであった。これだけの衝撃に堪えるだけの気根を持ったこの婦人が、その亭主に対し、誹謗がましいことをいったのは、このひとことぐらいしかない。忠興を見つめる両眼からつとめて忿(いか)りの色を消すために彼女はその並外れた意志力をもってことさら無表情をつくりつづけている。のちに彼女が信仰した天帝(でうす)が、彼女を生むにあたってこれほどの意志力をあたえたことは、彼女にとって幸福であったかどうかはわからない。(202p)

★忠興のつくったいわば牢獄にいるたまは、かつて、――悲しむ者は幸福なり。とキリストの言葉を知ったとき、儒教よりも禅学よりも、この一語だけが自分を救いうるとおもった。傾倒の最初はこのことばからであった。父母とその一族をうしなってみずからも配所に移されたとき、たまはこの世で自分ほど不幸な者はいないとおもったが、この言葉を吐いた人はおそらく生きている者の悲しみの底までなめつくしたひとであろうと思った。たまのキリストへの傾斜は忠興がそうおもっているような思想的関心ではなく、キリストの肉声を最初から恋うた。キリストの生身への恋情であり、あがくようにしてキリストの肉声をより多く知ろうとした。これは忠興にはかくさねばならなかった。「天主は謙(へりくだ)る者に恩寵をあたえ給(たま)ひ、傲慢なる者には敵対し給(たま)ふ」ということばをきいたとき、傲慢なる者として、父を殺した秀吉のいまを時めく姿をおもった。彼女が復讐すべき秀吉はたれの手を待つまでもなく、キリストの敵対を受ける。この断言は儒教にも禅にもなかった。光秀の遺児である彼女としてはこの世のいかなる者――忠興をふくめて――よりもキリストを恋い奉るのは当然であろう。(224p-225p)

★たまはつねに、「罪は私にある」といった。自分がもし他の容貌をもった自分であったとすれば忠興はああも物狂いにならず、忠興によって殺された多くの男女もその悲運を見ずに済み、彼女自身もこのような苛酷な運命のなかに身を置かずとも済んだにちがいない。罪は、この容姿にある。戦陣の忠興から、彼女をよろこばせるための品がしばしばとどけられた。そのなかに、忠興が博多から送らせたらしい南蛮製の胡桃割りと珍陀酒(葡萄酒)一瓶があった。……たまの体質は、つねに多少の酒を欲した。……ある夕、その珍陀酒の少量を、ぎやまんにそそいだ。かたわらにお霜という近江生まれの侍女がいる。お霜が胡桃を割る、たまはそれを掌でうけては、童女のような夢中さで食べた。……この夜、たまは激しく腹痛し、夜半になると忍ぶ力も失せ、わずかにうめいた。……医師は、病因は、――食い合わせでござりまする。と、診断した。医師にいわせると、胡桃に酒は食いあわせであるという。……たまは仰臥している。「ちがう」といった。食いあわせは胡桃と酒ではない、といった。そのあとなにもいわず、ながい沈黙のあと、やがて激しく落涙した。――なにをおっしゃろうとしているのか。と、小侍従は推測しかね、衾(しとね)のはしをおさえてうろたえるばかりであったが、その後、数日経って小侍従は覚った。細川越中守忠興と明智伽羅奢の縁がそもそも食いあわせであった、ということをこの女あるじは、声をかぎりに叫びたかったのではあるまいか。……たまが地獄からのがれるには忠興の妻であることから昇華して天主(でうす)を唯一のあるじとして仕えまつる以外に救いはなく、その道をたまのためにひらくことができた自分を、神に感謝した。(233p-237p)

2025年7月4日金曜日

プールへ

 昨日午後、プールに行くと受付で美味しいカフェの話をされる。場所を聞くと我が家の番地に近い。しかしそれらしきカフェがあるのは知らない。そしてエアコンの話になり、エコナビ運転がいいと教えてもらう。

 プールに入ると泳ぐ人が少ない。いつも出会う人と話をすると一昨日は15人いたそうだ。しかし、昨日はその半分もいない。いつものように500m泳いだ。33,4度の高温の中をプールに通うのは大変。だが、今は循環バスに乗っていくので自転車と比べると少しは楽だ。とはいっても来週はさらに気温があがって35,6度となる。暑さを覚悟してプールへ行こう!

 家に帰ってスマホで先のカフェを調べる。何と我が家の通りを隔てた3,40m先にある。昔からのカフェではなく他の業種からリニューアルしてカフェになっていた。プールの係はすぐにでもそのカフェに行きたい旨、話した。しかし、あまりにも近くにあると知ってがっかり気味だ。

 エアコンはAI快適おまかせにしていたがそれに加えてエコナビも設定した。いずれにしてもこう暑くては、と、またまた暑さを嘆いてしまう。

 今朝は9時に歯科予約で先ほど終わった。まだ歯石除去が続くようだ。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

桔梗の花は次々と咲く

2025年7月3日木曜日

聖林寺の十一面観音菩薩立像

 連日、最高気温は33,4度の日が続く。明後日からはさらに気温が上がって36度の日々が続くようだ。このまま高い気温はいつまで続く!?9月まで続くのだろうか。先々を心配しても仕方がない。ついつい天気予報を見て暑さを嘆く。今日午後はプールへ行くつもりだがさてさて。

 昨日、旅の案内が届く。広島空港からのチャーター便で隠岐の島、徳之島、青森、そして北海道道東の旅がある。徳之島の旅は3月にもあったがその際、1人参加は定員に達して参加できなかった。それから4か月経ったがこう暑くては徳之島に行く気がしない。というか暑さの中、無理して旅することもない。

 昨日図書館で和辻哲郎の『古寺巡礼』と古寺巡礼研究会著の『京都 奈良古寺巡り案内』を借りた。1979年発行の『古寺巡礼』(岩波書店)を見ていると先に出かけた聖林寺の十一面観音菩薩立像は左手が異なる。和辻の本の像の左手は何も持っていない。が、現在の聖林寺のYOU TUBEでは何か持っている。自分自身もこの目で見てきた。

 和辻の『古寺巡礼』を読むとこの立像について以下のように書いている。

★しかしこの偉大な作品も五十年ほど前には路傍にころがしてあったという。これは人から伝え聞いた話で、どれほど確実であるかはわからないが、もとこの像は三輪山の神宮寺の本尊であって、明治維新の神仏分離の際に、古神道の権威におされて、路傍に放棄せられるという悲運にあった。この放逐せられた偶像を自分の手に引き取ろうとする篤志家は、その界隈にはなかった。そこで幾日も幾日も、この気高い観音は、埃にまみれて雑草のなかに横たわっていた。ある日、偶然に、聖林寺という小さい真宗寺の住職がそこを通りかかって、これはもったいない、誰も拾い手がないのなら拙僧がお守りをいたそう、と言って自分の寺へ運んで行った、というのである。(64p-65p)

 この話をYOU TUBEで知った時、この本を読みたくなった。図書館で借りた本は60年近くも前の本だ。同じことが青空文庫にも書いてある。しかし、本には写真の掲載があるが、青空文庫にはない。いずれにしても手もとに置いておきたい本なので早速、セブンネットで注文した。来週には近くのコンビニに届くはず。

 この聖林寺へは談山神社へ出かけた際、宿で知り合った人からぜひ見に行くようにと言われた。また桜井から談山神社までの車内で知り合った人からも聞いていた。お陰で思いがけず聖林寺に出かけて十一面観音菩薩立像を見ることが出来た。いずれにしても和辻は『古寺巡礼』でこの像を褒めたたえて書いている。改めて新しい本が届いたならな手もとにおいてゆっくり読もう!そして像の左手はもともと何かを持っていたのを後日、復元したのだろう。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

2025年7月2日水曜日

『北斗の人』(上)

 6月末から厳しい暑さが続く。来週は連日35度超えで38度の日もある。せめて夜だけでも涼しくとの願いもむなしく一日中暑い。こう暑くては狭い庭であってもジョロでの水やりは大変。3,4年前に暑さで紫陽花を枯らした。その後に挿して生やした紫陽花はせいぜい水やりをしよう。桔梗やシクラメンの鉢は紫陽花を日陰にして育っている。

 『北斗の人』(上)(司馬遼太郎 講談社、2006年第1刷)を読んだ。『北斗の人』(下)を先に投稿し、順序が逆になった。気になる箇所を記そう。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

★妙見とは、北斗七星(北辰)のことである。古代中国にはこの北天にかがやく星を神としてまつる土俗信仰があり、それが仏教に入りまじって日本に渡来し、ふるくから「妙見さま」として諸国にひろまっている。吉之丞老人は、この星の教信者といっていい。この星神が夢まくらに立ってついに一流儀を自得した、と信じ、流儀の名を「北辰夢想流」とした。(10p)

★周作は、父の幸右衛門がかれを買っているよりも、漠然とはしていたがそれ以上に自分自身を買っていた。剣の道に志した以上はみずから独創の道をひらき、それをもって天下に覇をとなえたいということである。それがたとえ中道で失敗するかもしれぬとはいえ、男たるものはそれに目標(めあて)を定めて志をたてるべきではないか。「どうだ、不服か」幸右衛門は、噛みつくようにいった。……「願をかけてあるのです」「どういう?」剣の道で家名をあげたい、ということである。家名、ということででかけた早々に千葉姓から浅利姓に変わるのは北斗七星をあざむくことになろう、だからせめて一年は待ちたい、と周作はいった。(111p~112p)

★ぼやぼやしているとこの江戸では何をされるかわかったものではない、とそう思いながら歩いた。(階級から独立した人間になってやろう)と、周作は思った。そういう生き方ができるか出来ぬかわからないが、とにかくこの江戸の武家社会で身を置く場合、そうとでもしなければ、男子としての精神が圧殺されてしまう、とおもった。……(その手には屈せぬぞ)という不逞の性根が、そろそろ周作の心のなかでもたげはじめている。(174p―175p)

★「奥州の山からはるばる人の世に出てきたひとつの目的は、お前さんにそれを言ってやりたかったのさ」周作がだまっていると、「反逆しろ」と、孤雲は大声で言った。「何に反逆するのでございます」「そんなこと、お前でないおれにわかるものか」「……」「自分の体で考えることさ」と言って、孤雲はしばらくだまった。周作が目をあげたときは、孤雲の足音が山門のほうへ遠ざかっている。それっきり、孤雲は周作の生涯のなかで姿をあらわすことはなかった。(252p-253p)

2025年7月1日火曜日

「トビウオの夢」

  奈良のYOU TUBEを見ていると聖林寺の旅をながしている。一般的な旅のYOU TUBEは目的地までの行程を映し出す。ところが昨日見た動画は和辻哲郎が「古寺巡礼」に書いている聖林寺の十一面観音菩薩像の話をしている。動画を見終わって和辻のこの本が家にあるはず、と思って調べる。が、持っていなかった。これは手もとに置くべき本だと思ってネットで探すと在庫がある。もしかして青空文庫などの著作切れに掲載があるかも、と思って調べるとあった。

 青空文庫をネットで探すと以前スマホで読んでいた「尚友」がある。しかし「尚友」には古寺巡礼の掲載がない。青空文庫を探っているとふと頭をよぎる。それはアプリ。以前の青空文庫にアプリがあったかどうかは知らない。が、パソコンで読んでいた頃は読みにくかった。ところがスマホに青空文庫のアプリを入れるとまるで本と同じで読みやすい。しかし、紙の本と比べるとやはり読みにくさがある。とはいっても手っ取り早く読もうと思えば青空文庫は本当にありがたい。

 図書館の「古寺巡礼」を探していると和辻以外にもいろんな人が似たようなタイトルで書いている。それらの本をいずれも読みたくなる。ただ旅に出かけるだけではなく、その背景となるこれらの情報はとても大事だ。司馬遼太郎の「街道をゆく」をメインにして国内を旅しようと思ったが、他にもまだいろんな人が書いている。

 これでまた読みたい本が増える。まだまだくたばるわけにはいかない!?元気でいなくては……。

 最近、桂文枝のブログにハマっている。一日に10回くらいブログをアップしている。今朝のブログに感動する。先日、泊まりの人間ドックを受けたそうだ。どこも悪いところはなかったようだ。が、82歳の一人暮らしで食事のレクチャーを受けている。今朝はその際、言われた通りにご飯を炊いて鮭を焼いて食べている。ご本人のオチ、「やればできるけどめんどうくさいなあ でも調理の面白さがまだ芽生えてけえへんなあ  やっぱり店にゆこう」

 みんな元気に頑張っている。桂文枝のブログタイトル「トビウオの夢」までは行かなくても何かの夢を追っかける!?

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!